こどものうたvol.2〜イマジネーションの世界(カフコンス第142回)2019-11-17


*曲目

アーン「五つの小さな歌」
Reynaldo Hahn (1875-1947)
Five little songs (1915)
  1.ぶらんこ The swing
  2.風吹く夜 Windy nights
  3.僕の船と僕 My ship and I
  4.星 The stars
  5.よい子 A good boy

プレヴィン「ピアノのための印象」より *ピアノソロ
André Previn (1929-2019)
Impressions for piano: 20 pieces for students (1964)
  1.おはよう Good morning
  3.公園での散歩 Promenade in the park
  4.プードル Poodle

ヴィエネル「おはなしのうた」より
Jean Wiener (1896-1982)
Chantefables (1954-5)
  11.ラクダ Le dromadaire
  14.コウモリ La chauve-souris
  19.カンガルー Le kangourou
  29.クマ L'ours
  23.カメ La tortue
  22.ペリカン Le pélican

プレヴィン「マシューのピアノの本」より *ピアノソロ
André Previn
Matthew's piano book: 10 pieces for advanced students (1979)
  3.tenderly
  6.fast and aggressive
  9.thoughtful

プーランク「くじびき」
Francis Poulenc (1899-1963)
La courte paille (1960)
  1.眠り Le sommeil
  2.なんて出来事! Quelle aventure!
  3.ハートの女王 La reine de cœur
  4.バ・ブ・ビ・ボ・ビュ Ba, Be, Bi, Bo, Bu
  5.音楽家の天使たち Les anges musiciens
  6.水差しの赤ちゃん La carafon
  7.四月の月 Lune d'avril

(同「私たちは妹が欲しい」)


*出演

渡辺有里香(ソプラノ)
川北祥子(ピアノ)


*歌詞大意

「五つの小さな歌」(スティーブンソン)

1.ぶらんこ

ぶらんこをこぐのは好き?
青い空気の向かって高く
それは、こどもがいつでもできる
一番楽しいことだと思う

空気の中へ高く、壁も超えろ
広く見渡せるまで
川も木も牛たちも何もかも
山里を超えて

お庭の緑や
屋根の茶色が見下ろせるまで
もう一度空気の中へ高く飛んでいく
空気の中へ高く そして降りてくるんだ

2.風吹く夜

月や星が出るときはいつも
風が強いときはいつも
一晩中暗く湿った中を
ひとりの男が駆け抜けてゆく
火も消えた夜遅くに
なぜ彼は馬を走らせているのだろう?

木々が大きくざわめいて
船が海に揉まれるときはいつも
街道をずっと騒がしく
大急ぎで馬を走らせ
全速力で駆け抜け
また戻ってくる

3.僕の船と僕

僕は小さな船の船長だ
その船は池を漕ぎ出すんだ
僕の船はあたりをぐるぐると回っているけれど
僕がもうちょっと大きくなったら見つけるんだ
どうやってもっと遠くまで船を進めるかという秘密を

僕は舵を取る人形くらい小さくなって
その人形には命を持ってもらうんだ
彼と並んで僕を助けてもらうために
気持ちの良いそよ風が吹く水の上をすべり
船は水面を分けて、分けて、進むんだ

その時君は僕が激しい流れや葦の間を進むのを見るだろう
水が舳先で歌うのを聞くだろう
人形の船員のそばで 僕は旅し、探検するんだ
どんな人形も行ったことのない島に上陸して
おもちゃの大砲に火をつけるんだ!

4.星

ブラインドや窓や格子から漏れる
居間や台所の明かりが消えた
頭上高くにうごめいている
何千万もの星が

何千もの木の葉や
教会や公園にいる人々でもそんなに多くはないだろう
星々は私を見下ろし
暗闇の中 輝きまたたく

おおいぬ座やおおくま座やオリオン座も
水夫の星や火星も空に輝き
壁のそばの桶が
水と星でいっぱいになった

星々はついに私を見つけ叫びながら私を追いかけ
ベッドの中へ押し込んでしまった
でも光は私の目の中で明るく輝き続け
頭の中をまわり続ける

5.よい子

ぼくは朝になる前に目が覚め
一日中幸せでした
悪い言葉は言わず
にこにこと遊び続けました

そして今やっと太陽が
木々のむこうに落ちていきます
ぼくはよい子でいられたので
とても幸せです

ぼくのベッドはひんやりと清潔で
なめらかで心地よいシーツが敷いてある
またおやすみしなければ
お祈りも忘れずに

ぼくは知ってる
明日太陽が昇るのを見るまで
どんな怖い夢も頭から離れないし
どんな怖いものも目から離れないんだ

でも眠りがぼくをしっかりと抱きしめてくれる
夜明けに目覚めるまで
そして芝生に咲くライラックの中で
ツグミが歌うのを聞くんだ

「おはなしのうた」(デスノス)

11.ラクダ

会えて嬉しい パリのジャンと
12頭のメハリに
会えて嬉しい ボルドーのジャンと
14頭のフタコブラクダに
でも マディラのジャンと
4頭のラクダのほうが好きだ

遥か遠くで マディラのジャンは
ロベール・マケールや
彼らの友人アポリネール ─
生前4頭のヒトコブラクダの扱いがうまかった ─ と
旅をしている

14.コウモリ

ミ・カレームで カーニバルで
人はベルベットの仮面をつける
パーティーの後 仮面はどこへ?
夕暮れに飛んで行くのだ...

毛むくじゃらの鳥 羽のない鳥
彼は抜け出す 星がともる頃
廃墟の巣から
コウモリ 影の仮面...

19.カンガルー

最初のカンガルー カンガルーの王が
大きな剣を鋲にかけて
キャベツの葉の玉座につく...
彼の妻が 激怒して現れて
ポケットに 息子たちと小銭と
手袋とハンカチとキャラメルを入れる...

最後のカンガルー カンガルーの王は
緑の目と 赤い毛をしている
彼の妻が 国王たる夫にお化粧する

赤毛のカンガルー カンガルーの王
最後のカンガルー 赤毛のカンガルー

29.クマ

大きなクマは 檻の中で
蜂蜜を楽しんでいる
大熊座は 嵐の青い国の
空にある...

やいやい! もっと怒れ!
お前なんか どんなにかき集めても
家にホウキ1本と
罰の平手打ちと
屋根裏部屋と
猿のお嫁さんしか持ってないくせに!

23.カメ

私はカメ 私は美人
翼をつけたら
ツバメにそっくり
を? ね?

上品なコルセットは 本物のべっ甲
ボタンも 編み上げもなしで
ぴったり私のサイズ
も? ね?

私はカメで せむしじゃない
私はカメで 流暢じゃない
私はカメで 失望してない
で? しょう?

22.ペリカン

ジョナタン船長は
十八才
ある日 ペリカンを捕まえた
極東の島で

ジョナタンのペリカンが
朝 真っ白な卵を産むと
驚くほど よく似た
ペリカンが出てくる...

その二番目のペリカンが
こんどは 真っ白な卵を産む
生まれつき 必然的に
そして次のが同じように...

こんな事が ずっと続いてしまう
もし その前にオムレツを作らなければ!

「くじびき」(カレーム)

1.眠り

眠りは旅行中
一体どこへ行ってしまったのでしょう?
ぼうやをあやしても
ベッドの中で泣くばかり
お昼からずっと

眠りはどこに置いてきたのかしら?
眠りの砂によい子の夢を
ぼうやをあやしているのに
汗びっしょりで寝返り打って
ベッドでしゃくり上げるばかり

ああ眠りよ 戻っておいで!
上等の競走馬に乗って
暗い空にはおおくま座が
太陽を覆って
蜜蜂みたいに瞬いている

もし子どもがよく眠れなかったら
おはようって言えないのよ
次の日
お指にも、ミルクにも、パンにも
みんなお日さまの下でおまえを迎えてくれているのに

2.なんて出来事!

一匹のノミが車に乗って
子どもの象を引っ張っている
ダイアモンドがちかちか光る
ショーウィンドウを覗きながら

ああ!なんて出来事!
誰が信じてくれる?

子象は上の空で
ジャムをポットから舐めた
でもノミは気にも留めず
ほほ笑みながら引っ張っている

ああ!こんなことが続くと
頭がおかしくなるよ!

突然囲いに沿って
ノミが風に飛んでいった
それでぼくは子象が壁を壊して
逃げるのを見たんだ

ああ!これはほんとのこと
でもママになんて言おう?

3.ハートの女王

物憂げにゆったりと
月の窓辺でひじをつき
女王は会釈する
アーモンドの花で

それはハートの女王
彼女の気が向いたら
こっそりと連れていく
不思議な館へ

そこにはドアもなく
広間も塔もなく
死んだ若者たちが
愛を語りに来るのだ

女王は会釈する
急いでついて行きなさい
穏やかな月のステンドグラスのある
霧氷に覆われた館へ

4.バ・ブ・ビ・ボ・ビュ

バ・ブ・ビ・ボ・ビュ・ベ!
猫が長靴をはいて
一軒一軒
遊んだり、踊ったり、歌ったり

シラミ、キャベツ、ひざ、みみずく
「読み方を習いなさい
算数も、書き方も」
猫はどこでも言われてる

でもリケティケトー
猫は笑い飛ばすんだ
お館に戻りながら
あの長靴をはいた猫だからね!

5.音楽家の天使たち

雨の糸の上で
木曜日の天使たちが
ずっとハープをならす

彼らの指のもとでモーツァルトが
心地よく鳴り響く
青ざめた陽気さのしずく
音楽家の天使たちが
終わりなく繰り返すのは
いつもモーツァルトだから

木曜のあいだ中
ハープに乗せて歌わせる
雨のやさしさを

6.水差しの赤ちゃん

「なんで」水差し夫人が愚痴をいう
「私には赤ちゃんがいないの?
動物園のキリン夫人にも
赤ちゃんがいないのかしら?」
通りかかった魔法使いが
蓄音機に馬乗りになって
水差し夫人の美しい
ソプラノの声を録音する
それをメルランに聞かせると
「よろしい!」と言った
彼は3度手を叩くと
そのお屋敷のご婦人は
一体なんでだか
その日の朝見つけたのだ
水差しのそばに身を寄せている
かわいらしい小さな水差しの赤ちゃんを
まるで動物園のキリンの赤ちゃんが
ふらふらする長い首を
お母さんの白い脇腹に乗せているみたいに

7.四月の月

月よ、美しい月よ、四月の月よ
眠っている間に見せてください
サフラン色した芯を持つ桃の木を
霰に笑う魚を
角笛のように遠くで
死者たちをやさしく目覚めさせる鳥を
そして何よりも何よりも
喜びがあり、明るい国を
サクラソウに輝く国を
銃をすべて打ち砕いた国を
月よ、美しい月よ、四月の月よ
月よ


*ブログ

2019-11-24 ご来場ありがとうございました
2019-11-17 こどものうたvol.2〜イマジネーションの世界(カフコンス第142回)
2019-11-15 明後日開催です
2019-11-14 次回プレヴィン予告
2019-11-10 「お花の歌とお話の歌」第3弾
2019-11-02 イマジネーションの世界
2019-10-21 年内の演奏メニュー

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