窓の外に、猫が ― 2025-02-16

窓の外に訪れるのは普通は鳥ですが、ウチの場合は猫です(注:アパートの2階です)。ベランダが猫たちのパトロールコースになっていて、近所の桜耳の黒猫たちや家猫たちが通ります。窓を開けるとみんな逃げるのですが、この子だけはいつも自分から近寄ってきてモフらせてくれました。
今回の曲の中でこの子のイメージに合うものはというと、できることなら「修道士と彼の猫」のように一緒に暮らしたかったですが、決断できずにいるうちに会えなくなってしまい… ボードレールやヴェルレーヌのような女性のイメージではないし、エルシェクレマンの「猫」のようなプレイボーイとは違うと信じたいので(笑)、正体不明な「唯一無二の猫」あたりでしょうか。
さて悩んでいたピアノ曲は、童話と童謡の猫を取り上げることにしました。ダマーズの「長靴をはいた猫」と「白い猫」、ダンディの「羊飼いの娘と子猫」です(エルシェクレマンの「猫」の歌詞「ron ron petit patapon」はこの童謡からの引用)。
ダマーズの「おとぎ話op.38」は、16曲それぞれにおとぎ話のタイトルがつけられた、どれも1分以内ながら個性鮮やかな小品集です。その中から猫の2曲を選んだところ、偶然にもチャイコフスキーの「眠りの森の美女」に出てくる「長靴をはいた猫と白い猫」の組み合わせになりました。
ダンディの「フランスの童謡による6つのパラフレーズop.95」は、シンプルな童謡をまるで壮大なオペラのパラフレーズのように、しかし2〜3分にまとめた編曲集。「羊飼いの娘と子猫」は可愛らしい童謡ですが、元々はR指定な続きがあるそうで、ダンディ編ではその物語が劇的に(時に官能的に)2分で描かれます。(川北)

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*今月の演奏メニュー
2025年2月22日(土) 10時30分開演 (10時10分開場 11時30分終演予定)
於:本郷・金魚坂 (新店舗) / コーヒーまたは中国茶つき 1,800円
cafconc第166回
猫たちのカフェ
ヘギー「はじめに」
バーバー「修道士と彼の猫」
ショッカー「オリーと私」*フルートとピアノ
ダマーズ「長靴をはいた猫/白い猫」ピアノ
ソーゲ「猫 I & II(ボードレール)/猫(エリュアール)」
ボルトキエヴィチ「女と猫(ヴェルレーヌ)」
デュレ「猫(アポリネール)」
ショッカー「窓の外に、鳥が」*ピッコロとピアノ
ダンディ「羊飼いの娘と子猫によるパラフレーズ」ピアノ
エルシェ=クレマン「猫」
コスマ「唯一無二の猫」
ベイツ「つかまったカナリア」
渡辺有里香(ソプラノ)
川北祥子(ピアノ)
*ゲスト:石橋美時(フルート&ピッコロ)
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