猫になってみたいフルート2025-02-01


2月になりました。今月のカフコンスはソプラノ・フルート・ピアノによるカフェシリーズ第3弾「猫たちのカフェ」。前回の「鳥たちのカフェ」で演奏した「鳥の歌」に「フルート奏者は鳥の役ばかりでうんざり、一度くらい猫になってみたい」という歌詞があり、今回はその夢を叶える猫カフェ企画です。フルート(とピッコロ)ではショッカー作曲の2曲を演奏します。

「オリーと私」は、フルート奏者で写真家でもあるというMichael Bowyerさんのために、彼の猫オリーを題材として書かれた小品で、まずは念入りに「ストレッチ」、そして「冒険」に出かける2曲組です。

「窓の外に、鳥が」は、作曲者自身の飼い猫が窓の外の鳩に反応する様子から着想されたそうで、猫が窓辺で退屈にしていると窓の外に鳥が来て…という2部構成。鳥の似合うピッコロですが、この曲では鳥と猫と両方を演じます。

楽譜の表紙にはモデルとなった猫の写真があります。オリーはBowyerさんが撮影したのか、さすがにアーティスティック! ショッカーさんのほうは自分の影が窓に映っていたりしますが、それはそれでまた味わいがありますね。


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今月の演奏メニュー

2025年2月22日(土) 10時30分開演 (10時10分開場 11時30分終演予定)
於:本郷・金魚坂 (新店舗) / コーヒーまたは中国茶つき 1,800円

cafconc第166回
猫たちのカフェ

ヘギー「はじめに」
バーバー「修道士と彼の猫」

ショッカー「オリーと私」 *フルートとピアノ

ソーゲ「猫 I & II(ボードレール)/猫(エリュアール)」
ボルトキエヴィチ「女と猫(ヴェルレーヌ)」
デュレ「猫(アポリネール)」

ショッカー「窓の外に、鳥が」 *ピッコロとピアノ

エルシェ=クレマン「猫」
コスマ「唯一無二の猫」
ベイツ「つかまったカナリア」

渡辺有里香(ソプラノ)
川北祥子(ピアノ)
*ゲスト:石橋美時(フルート&ピッコロ)

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すもちゃんと私2025-02-14


私と猫は、あまりに身近すぎて取り立てて話題に出すこともない、という関係である。生まれた時には二匹の猫、その後4匹を経て今5匹目の猫がそばにいる。15年来の友人が、私(の家)が猫を飼っている事実を知ったのはその15年目であるほど話題に上ることは稀である。でも家では、「すもちゃん(今の猫)、どこ?」が挨拶代わりで、例えば練習する時もわざわざそばに連れてきたりする。大好きである。でも猫モチーフの小物や本は取り立てて興味はない。やはり触って温かく柔らかく、動くしぐさが好きなのだ。

猫テーマの曲もしかりである。そんな中今回は、フランスの大詩人の詩が揃ったり、どれも全く違う曲で面白いコレクションになっている。私と川北さんはなんといってもバーバーがピカ一である。私はアポリネールの詩も気に入っている。

フランス語、英語を歌う中でふと、外国のペット用語はどうなっているのだろうと思った。日本語はオノマトペに富んでいるし、造語が得意な言語なのでふみふみ、へそ天、モフる、やんのかステップなどはとても秀逸だと思う。ちょっと調べたらへそ天は「お腹を上にして寝る」「上下さかさまに寝る」といった説明でしかなく、いつもは警戒して隠すべきところを無防備にさらしてくつろいでいる感じが全く出ていない。クレマンの曲の歌詞に「ronron」(ごろごろ…)が出てくるが、これはぴったりなので、私も普段のように舌を巻かずに、喉の奥を震わせて歌ってみようと思う。(渡辺)



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今月の演奏メニュー

2025年2月22日(土) 10時30分開演 (10時10分開場 11時30分終演予定)
於:本郷・金魚坂 (新店舗) / コーヒーまたは中国茶つき 1,800円

cafconc第166回
猫たちのカフェ

ヘギー「はじめに」
バーバー「修道士と彼の猫」

ショッカー「オリーと私」 *フルートとピアノ

ソーゲ「猫 I & II(ボードレール)/猫(エリュアール)」
ボルトキエヴィチ「女と猫(ヴェルレーヌ)」
デュレ「猫(アポリネール)」

ショッカー「窓の外に、鳥が」 *ピッコロとピアノ

エルシェ=クレマン「猫」
コスマ「唯一無二の猫」
ベイツ「つかまったカナリア」

渡辺有里香(ソプラノ)
川北祥子(ピアノ)
*ゲスト:石橋美時(フルート&ピッコロ)

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窓の外に、猫が2025-02-16


窓の外に訪れるのは普通は鳥ですが、ウチの場合は猫です(注:アパートの2階です)。ベランダが猫たちのパトロールコースになっていて、近所の桜耳の黒猫たちや家猫たちが通ります。窓を開けるとみんな逃げるのですが、この子だけはいつも自分から近寄ってきてモフらせてくれました。

今回の曲の中でこの子のイメージに合うものはというと、できることなら「修道士と彼の猫」のように一緒に暮らしたかったですが、決断できずにいるうちに会えなくなってしまい… ボードレールやヴェルレーヌのような女性のイメージではないし、エルシェクレマンの「猫」のようなプレイボーイとは違うと信じたいので(笑)、正体不明な「唯一無二の猫」あたりでしょうか。

さて悩んでいたピアノ曲は、童話と童謡の猫を取り上げることにしました。ダマーズの「長靴をはいた猫」と「白い猫」、ダンディの「羊飼いの娘と子猫」です(エルシェクレマンの「猫」の歌詞「ron ron petit patapon」はこの童謡からの引用)。

ダマーズの「おとぎ話op.38」は、16曲それぞれにおとぎ話のタイトルがつけられた、どれも1分以内ながら個性鮮やかな小品集です。その中から猫の2曲を選んだところ、偶然にもチャイコフスキーの「眠りの森の美女」に出てくる「長靴をはいた猫と白い猫」の組み合わせになりました。

ダンディの「フランスの童謡による6つのパラフレーズop.95」は、シンプルな童謡をまるで壮大なオペラのパラフレーズのように、しかし2〜3分にまとめた編曲集。「羊飼いの娘と子猫」は可愛らしい童謡ですが、元々はR指定な続きがあるそうで、ダンディ編ではその物語が劇的に(時に官能的に)2分で描かれます。(川北)

(玄関の外にも、猫が)


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今月の演奏メニュー

2025年2月22日(土) 10時30分開演 (10時10分開場 11時30分終演予定)
於:本郷・金魚坂 (新店舗) / コーヒーまたは中国茶つき 1,800円

cafconc第166回
猫たちのカフェ

ヘギー「はじめに」
バーバー「修道士と彼の猫」

ショッカー「オリーと私」*フルートとピアノ
ダマーズ「長靴をはいた猫/白い猫」ピアノ

ソーゲ「猫 I & II(ボードレール)/猫(エリュアール)」
ボルトキエヴィチ「女と猫(ヴェルレーヌ)」
デュレ「猫(アポリネール)」

ショッカー「窓の外に、鳥が」*ピッコロとピアノ
ダンディ「羊飼いの娘と子猫によるパラフレーズ」ピアノ

エルシェ=クレマン「猫」
コスマ「唯一無二の猫」
ベイツ「つかまったカナリア」

渡辺有里香(ソプラノ)
川北祥子(ピアノ)
*ゲスト:石橋美時(フルート&ピッコロ)

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