次回プレヴィン予告2019-11-14

こどものうたvol.1では子供や家庭、学習者向けのドイツ作品を演奏しました。vol.2では、子供の世界を描いた、大人のための近代フランス歌曲を特集します。そうなると真っ先に思い浮かぶピアノ曲は、シューマンの「子供の情景」と双璧をなすドビュッシーの「子供の領分」です。今回最初に歌うアーン(1875-1947)の「五つの小さな歌(1915)」は、イギリスの作家スティーヴンソンの「子供の詩の園」からの英語の詩に作曲されていて、「子供の領分」の英国趣味にも通じます。またメインの「くじびき(1960)」のプーランク(1899-1963)には、「村人たち」という子供のためのピアノ曲集もあります。

が、今回のピアノ曲は来月の予告を兼ねて、アメリカの子供のための作品を取り上げることにしました。アンドレ・プレヴィン(1929-2019)が自身の子供たちのために作曲した2つの曲集、「ピアノのための印象〜生徒のための20の小品(1964)」から、1.おはよう、3.公園での散歩、4.プードル、と、「マシューのピアノの本〜上級の生徒のための10の小品(1979)」から、3.(tenderly)、6.(fast and aggressive)、9.(thoughtful)、です。

「印象」は、プレヴィンの最初の奥さんでジャズ歌手のベティ・ベネットとの間に生まれたクラウディアとアリシアに贈られています。シューマンの「子供のためのアルバム」のような、子供に身近なタイトルを持つ曲集で、1分ほどの1ページの曲が中心。かわいらしいけれど所々現代的で、当時7歳くらいの小さな手ではちょっと届かないところもあるかもしれません。

「ピアノの本」は、3人目の奥さんで女優のミア・ファローとの間に生まれた、当時9歳くらいのマシューのために書かれました。上級の(advanced)といっても格段に難易度が上がるわけではありませんが、2〜4ページで2〜3分の曲が中心で、子供らしいタイトルはなくなり発想標語のみの、ブラームスやシューベルトの小品集を思わせるような渋い内容です。


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今週末の演奏メニュー

2019年11月17日(日) 11時開演(10時40分開場)
於:本郷・金魚坂 / コーヒーまたは中国茶つき 1,500円

cafconc第142回
こどものうたvol.2〜イマジネーションの世界

アーン「五つの小さな歌」(全5曲)
ヴィエネル「おはなしのうた」より
  ラクダ、コウモリ、カンガルー、クマ、カメ、ペリカン
プーランク「くじびき」(全7曲)
プレヴィン「Impressions」より *ピアノソロ
同「Matthew's piano book」より *ピアノソロ

渡辺有里香(ソプラノ)
川北祥子(ピアノ)

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コメント

_ 釈千手 ― 2019-11-17 21:13

今日は素敵な演奏をありがとうございました。
ピアノは最初の「ぶらんこ」、歌はヴィエネルの「カメ」が印象に残りました。
「水差しの赤ちゃん」、アンコールの「妹がほしい」も楽しい歌ですね。
12月も楽しみにしています。

_ yw ― 2019-11-18 10:21

ご来場いただきありがとうございました。
歌詞も曲調も、いろいろな雰囲気の曲が次々と並び、楽しく歌えました。
12月も楽しみですね!

_ 川北 ― 2019-11-19 21:34

釈千手さま、ご来場とコメントをありがとうございます。
「ぶらんこ」は弾くのも心地よくて、
ずっといつまでも弾き続けて
揺られていたくなるような曲でした。
プレヴィン本編の来月もお待ちいたしております!

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