トゥリーナ「ヴォカリーズ」2013-08-10

「ヴォカリーズ」は歌詞なしで歌う事のほかに発声(練習)も指し、今回のメトネルとヴィエネルは前者、トゥリーナ(1882-1949)の「Vocalizaciones op.74」(1932)は後者といえます。コンサートで演奏する作品を「練習曲」と紹介するのも変な話なのですが、演奏会用作品であると同時に教育的配慮も感じられる(学習者の練習としても使える、習得するべき要素が織り込まれている、等)のと、発声練習の延長上にあるヴォカリーズ作品の例ということで「演奏会用練習曲」と呼んでおこうと思います。

曲は、それぞれ特徴のあるスペイン風の6つの部分に前奏・間奏を加えた組曲仕立てで、ちょうど以前のカフで演奏した「トリオ第1番」の2楽章のような構成。循環形式で華やかにまとめたおなじみのスタイルです。

後から気づいたのですが、メトネル(1880-1951)とトゥリーナ(1882-1949)はほぼ同時代の作曲家で、それぞれドイツ、フランスの19世紀ロマン派を柱に、本人のルーツ(ロシア、スペイン)の民俗性もプラスして、独自の方向性を求めていく所が似ていますね。

以上4曲、なんだか核心から外れた事ばかり書いてしまった気もしますが、詩もない抽象の世界ですし、ゴタクよりも色々な瞬間を楽しんでいただけたらと思います。明日のご来場をお待ちいたしております!


--------------------------------------------------

明日の演奏メニュー

2013年8月11日(日) 11時開演(10時40分開場)
於:本郷・金魚坂 / コーヒーまたは中国茶つき 1,500円

cafconc第103回
ヴォカリーズ集vol.4〜組曲とブルース

メトネル「ヴォカリーズ組曲op.41-2」(全5曲)
ヴィエネル「3つのブルース」
ガーシュイン「3つの前奏曲」より 第2番(※pfソロ)
トゥリーナ「ヴォカリーズ」(全6曲)

柳沢亜紀(ソプラノ)
川北祥子(ピアノ)

--------------------------------------------------

ヴォカリーズ集vol.4〜組曲とブルース(カフコンス第103回)2013-08-11

*曲目

メトネル「ヴォカリーズ組曲」
Nikolai Karlovich Medtner (1880-1951)
Suite-vocalise op.41-2 (1927)
  1.Introduzione 序奏(*第2曲と続けて演奏)
  2.Gesang der Nymphen 精霊の歌
  3.Geheimnisse 秘密
  4.Zug der Grazien 女神の行幸
  5.Was der Dichter spricht 詩人の話したこと

ヴィエネル「3つのブルース」
Jean Wiéner (1896-1982)
3 blues chantés (1923)
  第1曲 Lent ~ 第2曲 ~ 第3曲

ガーシュイン「3つの前奏曲」より *ピアノソロ
George Gershwin (1898-1937)
3 preludes (1926)
  第2曲 Andante con moto e poco rubato

トゥリーナ「ヴォカリーズ」
Joaquín Turina (1882-1949)
Vocalizaciones op.74 (1932)
  Introducción 序奏
  1.Andante
  2.Allegro moderato
  3.Allegretto
  Interludio 間奏
  4.Allegro vivo
  5.Adagio
  6.Allegro

(ガーシュイン「サマータイム」)


*出演

柳沢亜紀(ソプラノ)
川北祥子(ピアノ)


*ブログ

2013-08-12 ご来場ありがとうございました
2013-08-11 ヴォカリーズ集vol.4〜組曲とブルース(カフコンス第103回)
2013-08-10 トゥリーナ「ヴォカリーズ」
2013-08-08 ガーシュイン「3つの前奏曲」より
2013-08-07 ヴィエネル「3つのブルース」
2013-08-06 メトネル「ヴォカリーズ組曲」
2013-07-27 ヴォカリーズ
2013-07-01 2013年8月・9月・10月の演奏メニュー
2013-06-24 金魚坂・お昼のお食事のご案内

ご来場ありがとうございました2013-08-12

昨日は記録的酷暑にもかかわらず22名ものお客様にご来場いただき、感謝の気持ちに堪えません。本当に幸せな本番でした。と同時に、熱中症になった方がいらっしゃるのではと心配いたしております。

予告のアンコールは「サマータイム」でした。「前奏曲2番」ともども暑い日の正午に演奏してみたいなんて言ったりもしましたが、酷暑日じゃなく真夏日くらいがよかったです(><)

ちなみに、昨日の日差しで私はふとプーランクの「ジャコブの4つの歌」の1曲目を思い出したのですが、考えてみたら「暑さ」とは全く関係ない詩でした(笑)詩があるとそんな自由な発想を否定される気もするのは、ヴォカリーズに浸っていたせいでしょうか...

さて9〜10月は芸術の秋にふさわしい正統派プログラムが続きます。特に弦楽器ファンの方はどうぞお楽しみに!


--------------------------------------------------

来月の演奏メニュー

2013年9月22日(日) 11時開演(10時40分開場)
於:本郷・金魚坂 / コーヒーまたは中国茶つき 1,500円

cafconc第104回
デュオの楽しみ~メンデルスゾーン兄弟の二重奏

メンデルスゾーン「無言歌 ニ長調 op.109」
同「チェロソナタ第1番 変ロ長調 op.45」

船田裕子(チェロ)
江口久美子(ピアノ)

--------------------------------------------------