ヴィエネル「3つのブルース」2013-08-07

右上の小節にMelody Fairが?
メトネルはロシア革命後に祖国を離れ、「ヴォカリーズ組曲」はパリで書かれましたが、正統的なドイツロマン派の流れをくむ彼は「狂乱の時代」のパリに馴染めなかったようで、その後イギリスに安住の地を見い出しました。

ヴィエネル(1896-1982)の「3つの(歌われる)ブルース」(1923)は、そんな当時のパリの、しかも酒場で演奏されたであろう小品。同時代のフランス楽壇の「ヴォカリーズ練習曲集」(ラヴェルの「ハバネラ形式」等、パリ音楽院で様々な作曲家により百数十曲以上が書かれた)とは対極といえる脱力系ヴォカリーズです。

楽譜の注釈には「声は管楽器のように扱われるー当初サックス奏者のために作曲するつもりだった」とありますが、サックスで演奏してしまえば平凡な曲、「歌われる」事が一番の魅力です。そして「音価を尊重し、正確なテンポで、全ての音を表情豊かに歌わなければならない」とされつつ、良い声でスバラシく歌ってもサマにならないという難曲です...


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今週末の演奏メニュー

2013年8月11日(日) 11時開演(10時40分開場)
於:本郷・金魚坂 / コーヒーまたは中国茶つき 1,500円

cafconc第103回
ヴォカリーズ集vol.4〜組曲とブルース

メトネル「ヴォカリーズ組曲op.41-2」(全5曲)
ヴィエネル「3つのブルース」
トゥリーナ「ヴォカリーズ」(全6曲)

柳沢亜紀(ソプラノ)
川北祥子(ピアノ)

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