ツェムリンスキーのキャバレーソング2014-06-18

ツェムリンスキー(1871−1942)のキャバレーソングもブリテン同様、生前未発表の作品。今回はリコルディミュンヘン出版の遺作集に収められている「太陽横丁」「ボンバルディル氏」を演奏しますが、作曲の経緯や、他のキャバレーソングが存在したのか(「太陽横丁」は別バージョンもあるようです)など、詳細は不明です。

「1901年の作」というのが唯一の情報ですが、1901年といえばシェーンベルクのキャバレーソング(vol.4で演奏)が書かれたのと同じ年。シェーンベルクは、この年に師匠ツェムリンスキーの妹と結婚し、ベルリンのキャバレー「ユーバーブレットル」の指揮者(監督?)に就任したのですから、もしかすると職も師匠の紹介かもしれませんし、「太陽横丁/ボンバルディル氏」も「ユーバーブレットル」の為の作品と考えてよいのではないでしょうか。

2曲はいずれも古風で簡潔ながら、小粒でピリっと辛い唄。「太陽横丁」は楽譜では2番までですが(1番が黒髪のレージ、2番が学生)、おそらくもっと長く何番までか続いて、次々に登場する人物を演じ分けた事が想像されます。「ボンバルディル氏」はオチのある小話なので中身はナイショ(笑)ぜひ当日、字幕付きの演奏でお楽しみください!


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今週末の演奏メニュー

2014年6月22日(日) 11時開演(10時40分開場)
於:本郷・金魚坂 / コーヒーまたは中国茶つき 1,500円

cafconc第109回
雨の日のカフェ〜カフェコンセールの歌姫vol.6
(*日本語字幕付き原語演奏)

ヴァイル「雨が降る/別れの手紙」
ツェムリンスキー「キャバレーソング」
  太陽横丁/ボンバルディル氏
シャミナード「宝石箱/隣人/素敵な気分」
ブリテン「キャバレーソング」
  教えて 愛って何?/葬儀のブルース/ジョニー/カリプソ
ほか

渡辺有里香(ソプラノ)
川北祥子(ピアノ)

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ヴァイルのキャバレーソング2014-06-19

キャバレーソング企画には欠かせないヴァイル(1900−50)ですが、今回は酒場よりも「雨の日のカフェ」に似合いそうな2曲を選んでみました。いずれもパリ時代に、マレーネ・ディートリヒの委嘱を受けて作曲されましたが、実際にはディートリッヒは歌わなかったようです。

詞はそれぞれジャン・コクトーとエーリッヒ・ケストナーの詩に基づきます。「雨が降る(1933)」はコクトーが片言のドイツ語で書いた詩をヴァイルが完成させたというもの。「窓ガラスはただ"雨が降っている"と告げる」なんていう歌詞を、雨の降る窓ガラスをバックに歌えますかどうか。今日現在の天気予報では22日は「曇時々雨、降水確率70%」...

ケストナーは1927〜33年頃のベルリン時代、まず批評家として数々のキャバレーを訪ね、やがて自分も歌詞を手がけ(この頃「スラバヤジョニー2」というパロディ作品も書いたそう!)、戦後にはミュンヘンにキャバレーを立ち上げました。カフェで恋人への別れの手紙を書く女の歌「別れの手紙(1933)」は、ケストナーの詩「Der Scheidebrief」に基づくものとされ(原詩未確認)、夜の世界を渡り歩きカフェで執筆していたというケストナーの、「児童文学作家」とはまた別の顔を見ることができます。


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今週末の演奏メニュー

2014年6月22日(日) 11時開演(10時40分開場)
於:本郷・金魚坂 / コーヒーまたは中国茶つき 1,500円

cafconc第109回
雨の日のカフェ〜カフェコンセールの歌姫vol.6
(*日本語字幕付き原語演奏)

ヴァイル「雨が降る/別れの手紙」
ツェムリンスキー「キャバレーソング」
  太陽横丁/ボンバルディル氏
シャミナード「宝石箱/隣人/素敵な気分」
タンスマン「ブルース形式の前奏曲 第1番」*piano-solo
ブリテン「キャバレーソング」
  教えて 愛って何?/葬儀のブルース/ジョニー/カリプソ
ほか

渡辺有里香(ソプラノ)
川北祥子(ピアノ)

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シャミナードのサロン歌曲2014-06-20

プログラム前半は、ヴァイルが雨の日のカフェ、ツェムリンスキーが文芸酒場、そしてシャミナードはサロンでお茶、のイメージです。ちょっとヘンなハシゴでしょうか(笑)

シャミナード(1857-1944)は19〜20世紀の古き良き時代のフランスのサロンで脚光を浴びた作曲家。作曲者は女性ですが、曲は男の子の歌を並べてみました。「宝石箱(1902)」は、彼女を宝石に例えて褒めまくる、まるで褒め言葉の宝石箱や〜!な詞。「隣人(1888)」は、いつも家に来ていたお隣の女の子の思い出の歌。

そして、ヴァイルの雨の歌から始まったプログラム前半を、雨の中を歩く「素敵な気分(1903)」で閉じたいと思います。なぜ雨の中で素敵な気分なのかは当日の字幕でのお楽しみ(まあ分かりきった事ですが)。


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今週末の演奏メニュー

2014年6月22日(日) 11時開演(10時40分開場)
於:本郷・金魚坂 / コーヒーまたは中国茶つき 1,500円

cafconc第109回
雨の日のカフェ〜カフェコンセールの歌姫vol.6
(*日本語字幕付き原語演奏)

タンスマン「雨の日」*piano-solo
ヴァイル「雨が降る/別れの手紙」
ツェムリンスキー「キャバレーソング」
  太陽横丁/ボンバルディル氏
シャミナード「宝石箱/隣人/素敵な気分」
タンスマン「ブルース形式の前奏曲 第1番」*piano-solo
ブリテン「キャバレーソング」
  教えて 愛って何?/葬儀のブルース/ジョニー/カリプソ

渡辺有里香(ソプラノ)
川北祥子(ピアノ)

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