メンデルスゾーン4兄弟姉妹2013-09-16

フェリックス・メンデルスゾーンのチェロ作品4曲のうち、「協奏的変奏曲op. 17」「ソナタ第1番op.45」は弟パウルに捧げられています。

フェリックスは4人兄弟。:

ファニー(1805〜47)
フェリックス(1809〜47)
レベッカ(1811〜58)
パウル(1812?〜74)

彼らは上流家庭の心得として幼いうちから音楽や絵画、語学、スポーツまで学び、すぐに音楽の才分を現しました。末っ子パウルは自ら銀行業の道を選んでメンデルスゾーン銀行を発展させた人物ですが、チェロの腕前もプロに交じって演奏できる程だったと言われます。(ちなみにレベッカは歌。)

フェリックスの最初のチェロ作品「チェロとピアノの為の協奏的変奏曲op. 17(1829)」は、おそらくメンデルスゾーン家の「日曜演奏会」で披露されたであろう小品です。古典的な変奏曲ながら技巧的な華やかさや大胆な盛り上がりもあって、兄弟の競演の楽しさや喝采が目に浮かびます。
(つづく)


--------------------------------------------------

今週末の演奏メニュー

2013年9月22日(日) 11時開演(10時40分開場)
於:本郷・金魚坂 / コーヒーまたは中国茶つき 1,500円

cafconc第104回
デュオの楽しみ~メンデルスゾーン兄弟の二重奏

メンデルスゾーン「無言歌 ニ長調 op.109」
同「チェロソナタ第1番 変ロ長調 op.45」

船田裕子(チェロ)
江口久美子(ピアノ)

--------------------------------------------------

日曜演奏会2013-09-18

「日曜演奏会」とは、メンデルスゾーン家で1822年頃に始まった隔週の日曜の午前のコンサートです。(カフコンスみたい!)

子供達の教養を披露する場として自宅で開かれていたこの定期演奏会は、やがて数百人の会場で宮廷楽団や合唱団も雇って催されるようになり、フェリックスはここで存分に試演や指揮の経験を重ねました。初期の傑作「八重奏曲op.20(1825)」や「真夏の夜の夢 序曲op.21(1826)」も日曜演奏会で初演されています。

フェリックスが29年3月にバッハの「マタイ受難曲」復活公演を成功させ、4月から海外へも活躍の場を広げると、日曜演奏会は姉ファニーに引き継がれました。同年1月の「協奏的変奏曲op. 17」はフェリックスが日曜演奏会を拠点としていた最後期の作品で、弟パウルとの競演を楽しむために書かれたものと想像されます。また後年の「チェロソナタ第1番op.45(1838)」もパウルの助言を受け、彼に捧げられています。

前置きが長くなりましたが、今回のカフコンスはそんな兄弟デュオに想いを馳せ、また第51回「メンデルスゾーン姉弟の三重奏」とも揃えて、「デュオの楽しみ〜メンデルスゾーン兄弟の二重奏」と命名しました。今週末は日曜演奏会に是非お出かけ下さい。
(つづく)


--------------------------------------------------

今週末の演奏メニュー

2013年9月22日(日) 11時開演(10時40分開場)
於:本郷・金魚坂 / コーヒーまたは中国茶つき 1,500円

cafconc第104回
デュオの楽しみ~メンデルスゾーン兄弟の二重奏

メンデルスゾーン「無言歌 ニ長調 op.109」
同「チェロソナタ第1番 変ロ長調 op.45」

船田裕子(チェロ)
江口久美子(ピアノ)

--------------------------------------------------

チェロソナタと無言歌2013-09-21

「チェロソナタ第1番op.45」の書かれた1838年はメンデルスゾーンの「室内楽の年」と呼ばれます。

フェリックスは当時、日曜演奏会時代以来の室内楽作品を一揃い書くつもりだと語り、また35年に指揮者として就任したゲヴァントハウス管弦楽団でもアンサンブル強化のために室内楽を推奨していたと言われます。37〜9年には弦楽四重奏曲3曲、ヴァイオリンソナタ、チェロソナタ1番、ピアノ三重奏曲1番が、43〜5年にはチェロソナタ2番、ピアノ三重奏曲2番、弦楽五重奏曲が作曲されました。(この周期でいくと50年頃に3番が書かれたはずですが...)

チェロソナタ1番は弟パウルに捧げられ、2番も初演者ピアッティとともにパウルが助言者として名を連ねています(献呈はロシア伯爵)。パウルは既にビジネスの勉強を終えて銀行業務に就いており、ソナタを演奏したかは定かでありませんが、フェリックスは単なる家族の助言としてではなく、チェロ奏者としての彼の意見を尊重していたようです。パウルはその後、兄のマネージャーも務め、兄の死後は書簡や手稿の整理も手がけました。

チェロのための「無言歌op.109(1845)」は、同年デビューしフェリックスと共演した若い女性チェロ奏者クリスティアーニに捧げられた小品。無言歌とは、姉ファニーの発案による、歌のような旋律と伴奏から成る器楽曲で、ファニーとフェリックスによるピアノのための無言歌集は全8巻に及びます。「無言歌op.109」は生前に出版されておらず、フェリックスは二重奏のための無言歌集も書き溜めるつもりだったのかもしれません。

...という所で公演日が明日に迫ってしまいましたので、曲については演奏をお聴きいただけたら幸いです(笑)ご来場お待ちいたしております!


--------------------------------------------------

明日の演奏メニュー

2013年9月22日(日) 11時開演(10時40分開場)
於:本郷・金魚坂 / コーヒーまたは中国茶つき 1,500円

cafconc第104回
デュオの楽しみ~メンデルスゾーン兄弟の二重奏

メンデルスゾーン「無言歌 ニ長調 op.109」
同「チェロソナタ第1番 変ロ長調 op.45」

船田裕子(チェロ)
江口久美子(ピアノ)

--------------------------------------------------