メンデルスゾーン「演奏会用小品 第1番」2012-06-14

難ミッションにもようやく方向性が見えてきたのですが、その無理矢理な企画の全貌はもう少し覚悟を決めてから発表させていただく事にして、今日はメンデルスゾーンについてです。

メンデルスゾーン(1809-1847)の2曲の「演奏会用小品」op.113(1832)op.114(1833)は、19世紀の名クラリネット奏者ハインリヒ・ベールマンと、その息子でバセットクラリネットも得意としたカール・ベールマンの為に書かれ、1番はハインリヒに、2番はカールに献呈されています。本来はクラリネット、バセットクラリネット、ピアノのための三重奏ですが、バセットクラリネットの代わりにバスクラリネットやファゴット等でも演奏されます。

メンデルスゾーンは1830年にミュンヘンのベールマン邸を訪れ、料理上手なベールマン親子のもてなしを受けました。2年後、ベールマン親子がベルリンを訪れると聞いたメンデルスゾーンは、ミュンヘンでのあの食事を自宅に作りに来てほしいと頼みます。するとベールマン親子は二重奏曲を作ってほしいと頼みます。

約束の日、メンデルスゾーン邸にやって来たベールマン親子は、キッチンで「甘いクネーデル」や「チーズのシュトゥーデル」を作り、その間にメンデルスゾーンはリクエストされた二重奏曲を作曲しました。そして完成するとそれぞれ蓋つきの皿にのせてうやうやしく交換し、お互いの「作品」を絶賛し合いました。楽譜の表紙には「プラハの戦い(当時の流行歌で1楽章に引用)、甘いクネーデルとチーズのシュトゥルーデル、あるいはクラリネットとバセットクラリネットのための大二重奏曲、ベールマン親子に、メンデルスゾーンが謹んで作曲」と書かれていました。

この作品こそ今回演奏する「演奏会用小品 第1番」。(「第2番」は親子がベルリンを発った後に書かれ、演奏旅行先に送られました。)こんなエピソードを聞くと、「演奏会用小品」が題名通りの小品でもあり華やかな大二重奏曲でもある理由が分かるような気がします。そしてメニューにも挑戦しなくては!

※現在のプログラム完成率:約45%
(カフコンス1回の演奏時間に対する、決定した曲の演奏時間の概算。)


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来月の演奏メニュー

2012年7月15日(日) 11時開演(10時40分開場)
於:本郷・金魚坂 / コーヒーまたは中国茶つき 1,500円

クラリネット・ファゴット・ピアノによる三重奏(仮題)

メンデルスゾーン「演奏会用小品 第1番 op.113」
ナンカロウ「三重奏曲 第1番」
ほか

荒木こずえ(クラリネット)
江草智子(ファゴット)
川北祥子(ピアノ)

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