ナンカロウ「三重奏曲 第1番」2012-06-02

次回のカフコンスは7月15日の「クラリネット、ファゴット、ピアノによる三重奏(仮)」です。現在、出演者一同でメンデルスゾーンとナンカロウとを繋ぐ難ミッションに鋭意挑戦中…いつになったら「仮」が外せるのか、今後の展開にご注目下さい。

さて、タイトルも曲目もまだ仮ですが、まずは、今年が生誕100年にあたるコンロン・ナンカロウ(1912-97)の「三重奏曲 第1番」(1940−2、全3楽章)を演奏する事に決定しました。

ナンカロウは数十曲もの「自動ピアノの為の習作」群で知られるアメリカ生まれの作曲家です。彼はリズムを追求するあまり、人間では演奏不可能な程の複雑なリズムを求めて、1945年頃からは自動ピアノの為だけに作曲し続け(自動ピアノのロール紙に穴をあけ続け)ました。

そもそも彼が複雑なリズムに興味を抱いたのは「春の祭典」の影響とも言われ、生身の奏者の為に作曲していた時代の「三重奏曲 第1番」もストラヴィンスキーやコープランドを思わせるような小気味よい小品。自分の作品の楽譜は棚に無造作に積み上げていたというナンカロウらしく、1楽章以外が行方不明でしたが、1990年代になって2、3楽章も発見されました。なお第2番はオーボエ、ファゴット、ピアノの為に書かれており、クラリネット、ファゴット、ピアノの編成では第1番が唯一の作品です。

※現在のプログラム完成率:約21%
(カフコンス1回の演奏時間に対する、決定した曲の演奏時間の概算。)


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来月の演奏メニュー

2012年7月15日(日) 11時開演(10時40分開場)
於:本郷・金魚坂 / コーヒーまたは中国茶つき 1,500円

クラリネット・ファゴット・ピアノによる三重奏(仮題)

メンデルスゾーン「演奏会用小品 第1番 op.113」
ナンカロウ「三重奏曲 第1番」
ほか

荒木こずえ(クラリネット)
江草智子(ファゴット)
川北祥子(ピアノ)

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メンデルスゾーン「演奏会用小品 第1番」2012-06-14

難ミッションにもようやく方向性が見えてきたのですが、その無理矢理な企画の全貌はもう少し覚悟を決めてから発表させていただく事にして、今日はメンデルスゾーンについてです。

メンデルスゾーン(1809-1847)の2曲の「演奏会用小品」op.113(1832)op.114(1833)は、19世紀の名クラリネット奏者ハインリヒ・ベールマンと、その息子でバセットクラリネットも得意としたカール・ベールマンの為に書かれ、1番はハインリヒに、2番はカールに献呈されています。本来はクラリネット、バセットクラリネット、ピアノのための三重奏ですが、バセットクラリネットの代わりにバスクラリネットやファゴット等でも演奏されます。

メンデルスゾーンは1830年にミュンヘンのベールマン邸を訪れ、料理上手なベールマン親子のもてなしを受けました。2年後、ベールマン親子がベルリンを訪れると聞いたメンデルスゾーンは、ミュンヘンでのあの食事を自宅に作りに来てほしいと頼みます。するとベールマン親子は二重奏曲を作ってほしいと頼みます。

約束の日、メンデルスゾーン邸にやって来たベールマン親子は、キッチンで「甘いクネーデル」や「チーズのシュトゥーデル」を作り、その間にメンデルスゾーンはリクエストされた二重奏曲を作曲しました。そして完成するとそれぞれ蓋つきの皿にのせてうやうやしく交換し、お互いの「作品」を絶賛し合いました。楽譜の表紙には「プラハの戦い(当時の流行歌で1楽章に引用)、甘いクネーデルとチーズのシュトゥルーデル、あるいはクラリネットとバセットクラリネットのための大二重奏曲、ベールマン親子に、メンデルスゾーンが謹んで作曲」と書かれていました。

この作品こそ今回演奏する「演奏会用小品 第1番」。(「第2番」は親子がベルリンを発った後に書かれ、演奏旅行先に送られました。)こんなエピソードを聞くと、「演奏会用小品」が題名通りの小品でもあり華やかな大二重奏曲でもある理由が分かるような気がします。そしてメニューにも挑戦しなくては!

※現在のプログラム完成率:約45%
(カフコンス1回の演奏時間に対する、決定した曲の演奏時間の概算。)


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来月の演奏メニュー

2012年7月15日(日) 11時開演(10時40分開場)
於:本郷・金魚坂 / コーヒーまたは中国茶つき 1,500円

クラリネット・ファゴット・ピアノによる三重奏(仮題)

メンデルスゾーン「演奏会用小品 第1番 op.113」
ナンカロウ「三重奏曲 第1番」
ほか

荒木こずえ(クラリネット)
江草智子(ファゴット)
川北祥子(ピアノ)

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シュターミッツ「クラリネットとファゴットのための協奏曲」より終楽章2012-06-18

(前回までのあらすじ:今回のカフコンスはクラリネットとファゴットとピアノの三重奏。今年が記念イヤーのナンカロウの三重奏と、カフコンスでまだ演奏されていなかったメンデルスゾーンの1番を取り上げる事にしよう、と最初に決定したものの、この2曲には共通点がまったく見当たらず、どんなプログラムにまとめたらいいのか、出演者3人は途方に暮れていました…)

悩み続けてきた今回のお題ですが、やっと「クラリネット・ファゴット・ピアノによる18〜21世紀の三重奏」に決まりました。この編成ではメンデルスゾーンが19世紀の、ナンカロウが20世紀の重要な作品、また、クラリネットが18世紀にできた楽器なので、18世紀から今世紀に至る作品を時代順に演奏してみようと考えたのですがいかがでしょうか。(ここまで引っ張ってきた割には大したアイディアじゃないですね…)

18世紀作品としてはベートーヴェン偽作の3曲の二重奏曲もありますが、カフコンスでは既に2曲を演奏しているので、今回はカール・シュターミッツ(1745-1801)の「クラリネットとファゴットのための協奏曲」(1780年以前)第3楽章を選んでみました。

クラリネットというとモーツァルトの協奏曲や五重奏曲でブレイクした感もありますが、それより先に11曲ものクラリネット協奏曲を作曲していたのが11歳先輩のシュターミッツ。パリで協奏交響曲というジャンルをヒットさせたのも彼で、今回演奏する二重協奏曲でも複数の独奏楽器を効果的に用いています。第3楽章は、主題に戻る前に毎回カデンツァが入る豪華な(?)ロンドです。

※現在のプログラム完成率:約61%
(カフコンス1回の演奏時間に対する、決定した曲の演奏時間の概算。)


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来月の演奏メニュー

2012年7月15日(日) 11時開演(10時40分開場)
於:本郷・金魚坂 / コーヒーまたは中国茶つき 1,500円

クラリネット・ファゴット・ピアノによる18〜21世紀の三重奏

シュターミッツ「クラリネットとファゴットのための協奏曲」終楽章
メンデルスゾーン「演奏会用小品 第1番 op.113」
ナンカロウ「三重奏曲 第1番」
ほか

荒木こずえ(クラリネット)
江草智子(ファゴット)
川北祥子(ピアノ)

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