イタリア編2022-08-09

クラシック音楽でヴォカリーズとは、歌詞なしで歌うことや、歌詞なしで歌うウォームアップや練習も指します。前者としては有名なラフマニノフのヴォカリーズをはじめ、協奏曲やソナタ、詩が手元になかったので歌詞なしで書かれたもの、先にヴォカリーズで書くという作曲法で言葉をつけずに完成とされたもの、等、色々なヴォカリーズ作品を演奏してきました。今回は後者の学習者向け曲集、イタリア・リコルディ社の「新しいスタイルのヴォカリーズ集(1929年)」の特集です。

歌の国イタリアにはコンコーネ等のヴォカリーズの教本が数多くありますが、20世紀に書かれたこのヴォカリーズ集は書名通り「近代的=新しいスタイル」なのが特徴。16人の作曲家による曲集なので、1冊を通じて技術を習得していくような「教本」「練習曲集」というよりも「教材集」と考えるのがいいのかもしれません。教材といっても「○○の練習」と題したものから演奏会で歌えそうなものまで、内容や難易度は様々です。

今回は16人中年長の3人と一番若いカステルヌオーヴォ=テデスコを取り上げます。

フランチェスコ・チレア(1866-1950)
ウンベルト・ジョルダーノ(1867-1948)
エットレ・ポッツォーリ(1873-1957)
マリオ・カステルヌオーヴォ=テデスコ(1895-1968)

各曲についてはまた。


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来月の演奏メニュー

2022年9月18日(日) 11時開演(10時40分開場)
於:本郷・金魚坂 / コーヒーまたは中国茶つき 1,500円

cafconc第152回
ヴォカリーズ集vol.6〜イタリア編

リコルディ社『新しいスタイルのヴォカリーズ集』より
チレア「テーマと変奏」
ポッツォーリ「ハバネラ風に」
ジョルダーノ「音階の練習/半音の練習」☆
カステルヌオーヴォ=テデスコ「ヴォカリーズエチュード*/
 パンとエコー/船乗りの嘆きのように/フォックストロットのテンポで」
ほか 予定 (*この1曲のみフランス出版)

柳沢亜紀(ソプラノ)
川北祥子(ピアノ)
☆ゲスト:宮本芽衣(ソプラノ)

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