中世ドイツとイギリスの鳥、そしてシークレット2019-04-05

明後日のカフコンス「鳥」特集、プログラム後半は近代歌曲2曲です。

フランス系スイス人の作曲家フランク・マルタン(1890-1974)の「3つのミンネリート」(1960)は、12〜3世紀の中高ドイツ語で書かれた愛の歌。第1曲「ああ愛する人」では恋に悩む娘にフルートの鳥の声が寄り添い、第3曲「菩提樹の下で」では「彼と私が何をしていたかは小鳥しか知らないわ」というコケティッシュな歌にピッコロの鳥が絡みます。ということで、鳥の歌ではないもののプログラムに加えたところ、第2曲「女が一人で立っていた」にも「鷹が木を選ぶように私も彼を選んだ」という歌詞があったので、いちおう「鳥」コンプリートとなりました。

イギリスの作曲家マイケル・ヘッド(1900-76)の「鳥の歌」(1966?)は、森を歩き、四季折々の風景と鳥に思いを馳せる、という、BBCの8K番組が似合いそうな詩に作曲されています。親しみやすい歌が有名なヘッドですが、この曲は演奏会用の大作。ゴージャスなフルートとソプラノの競演をお楽しみください。

ちなみに今回のタイトル「outside my window」は、ピッコロで演奏するゲイリー・ショッカー(1959-)の「outside my window, BIRD」(2009)からとったもので、グラナドスやマルタンの「恋に悩む娘と、窓の外の鳥」のイメージにもぴったりなのですが、実はショッカーはまたちょっと違う内容です。どう違うのかは当日のお楽しみということで。


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明後日の演奏メニュー

2019年4月7日(日) 11時開演(10時40分開場)
於:本郷・金魚坂 / コーヒーまたは中国茶つき 1,500円

cafconc第137回
outside my window〜フルートとソプラノの競演

ダヴィッド「愛らしい小鳥」
グラナドス「マハとナイチンゲール」(sop,pf)
ショッカー「outside my window, BIRD」(picc,pf)
マルタン「三つのミンネリート」
ヘッド「鳥の歌」

柳沢亜紀(ソプラノ)
中村淳(フルート)
川北祥子(ピアノ)

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