サマーソング2023-10-04

「ミゲル・デル・アギーラ作品集」3曲目はオーボエとピアノのための初期の作品「サマーソング」です。

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 この作品は、自然、それが私たちにどう影響するか、私たちがそれとどう関わるか、についての全てである。遠い昔に忘れてしまったが今でも視覚的に思い出すことができるアステカの詩に着想したもので、静かであたたかく気だるい夏の午後、主人公は草の上に横たわっている。彼が白昼夢を見ると、彼の思考が実際の風景に相互作用して、魔法のような非現実の場所を作り出す。やがて、通り過ぎる雲が雨を降らせ、主人公は眠りに落ちて夢を見る。嵐が過ぎると鳥たちが歌い出し、彼を起こす。
 曲は穏やかで旋法的な主題で始まり、より活発でリズミックな第2の主題が続く。それらの交流が穏やかな会話をもたらし、私たちをいくつかのバリエーションに導く。主題は激しくなって、作品の「夢」の部分を引きおこし、鳥がゆっくりと私たちを現実に連れ戻す。冒頭で聞いた主題が戻り、その後ブラジルのサンバを思わせるスキャンダラスな新しい主題が加わる。  私の作品の中で「サマーソング」は、その気まぐれな形式、主題となる素材が多過ぎること、そして何よりも、不釣り合いなスタイルがなぜか融合して見える(インドの聖歌、1940年代のビッグバンド、後期ルネサンス、中東のアラベスク、カリブの音楽、ブラジルのサンバ、など様々なイディオムが共存している)という点で、異彩を放っている。

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この曲は夏のように熱かったり、でも最近は涼しくなりましたがちょうど今の時期のように夏を回顧しているかのような響きがしたりとても楽しい曲です。どうぞお楽しみください。
(荒木)


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今週末の演奏メニュー

2023年10月8日(日) 11時開演(10時40分開場)
於:本郷・金魚坂 / コーヒーまたは中国茶つき 1,500円

cafconc第160回
ミゲル・デル・アギーラ作品集〜作曲家を迎えて
WORKS OF MIGUEL DEL AGUILA
~ welcoming the composer to cafconc

「マランボ」 ファゴット/ピアノ
MALAMBO op.115 (2016/19) bassoon/piano

「ボトルの中の音楽」 ピアノ
MUSIC IN A BOTTLE op.67 (1999) piano

「サマーソング」 オーボエ/ピアノ
SUMMER SONG op.26 (1988/96) oboe/piano

「タンゴトリオ」 オーボエ/ファゴット/ピアノ
TANGO TRIO op.71 (2002/15) oboe/bassoon/piano

荒木良太(オーボエ)  Ryota ARAKI, oboe
江草智子(ファゴット) Satoko EGUSA, bassoon
川北祥子(ピアノ)   Sachiko KAWAKITA, piano

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