編曲と置き換え(補足)2013-05-30

先日のブログについて「編曲と置き換えの違いは?」というご質問をいただきました。ご指摘ありがとうございます(焦)

まず、「置き換え」は「別の楽器で演奏する」事を指したつもりです。今回バッハの無伴奏パルティータやモーツァルトの五重奏のヴァイオリンパートをサックスで演奏するのがこれにあたります。サックスで演奏不可能な音域や奏法の箇所は部分的に「最適化」したりもしますが、基本的には原曲に忠実に演奏します。

置き換えは作曲家や出版社が推奨する場合もあり、例えば今回使用する「三重奏」の楽譜は、ホルンパートとしてホルン、ヴィオラ、チェロの3種類のパート譜がセットされています。ブラームスのホルン三重奏曲のホルンパートもヴィオラ、チェロで演奏可能として出版されていて、ブラームス自身はヴィオラは了承したもののチェロには反対していたというエピソードがあります。

「編曲」は、平凡社音楽大事典から要約すると
〜〜〜〜〜
ある楽曲を他の演奏形態に適するように改変すること。
(1)編曲者の独自性よりも原曲の規範性を重視して書き改めるもの
(2)原曲に解釈を加え、編曲者の創意や独自性を反映したもの
(3)異なった演奏形態のための書き直し自体を目的としたもの
等がある。
〜〜〜〜〜
とのこと。

今回ホルン協奏曲をピアノ伴奏で演奏するのが(1)で、オーケストラ部分をピアノで演奏することや編曲者には特に触れないのが普通です。

Naumann編曲の三重奏は、五重奏を3人で演奏するというアイディアは(3)ですが、ヴィオラ2本とチェロの部分をほぼそのままピアノで演奏するように書かれている点は(1)でもあります。「五重奏曲」を3人で演奏するので「編曲」と説明していますが、もし原曲の曲名が「ソナタ」か何かだったら、わざわざ編曲とは言わずに演奏したかもしれません(笑)。4月に演奏した独奏版「熊蜂の飛行」も(3)ですが、原曲に沿っているからか、あまり編曲とは呼ばれませんね。「置き換え」も改変を伴わない(3)と言えます。

(2)が指すのは、2月のブラームス「私は心から願う」や、昨年9月の変奏曲、8月のコチシュ編「ヴォカリーズ」のように、原曲からの独自な改変を伴うものと思われます。が、(1)(3)に創造性が乏しいわけではなく、ラヴェル編「展覧会の絵」は原曲に沿った編曲(3)であってもオーケストレーションには「編曲者の創意や独自性」が反映されています。また、いわゆる「使い回し」に新たな魅力を発見することも多々あります。

例えばモーツァルトの「弦楽五重奏曲K.406」は「管楽八重奏曲K.388」からの編曲(3)で、楽譜の販売戦略のために書かれたと言われますが、どちらの編成も魅力的。さらに今ではこの弦楽五重奏曲が木管五重奏で演奏されたりもするのでカオスですが、名曲は編成を問わずどんどん演奏するのが吉、じゃないでしょうか。

と、話はそれましたが、Oさん、お解りいただけましたか...?


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次回の演奏メニュー

2013年6月16日(日) 11時開演(10時40分開場)
於:本郷・金魚坂 / コーヒーまたは中国茶つき 1,500円

cafconc第102回
ホルンとサックスの響き

モーツァルト「ホルン協奏曲第3番K.447」より 第1楽章 hr.pf.
ノイリンク「バガテル」hr.pf.
バッハ「無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第2番」より sax.
モーツァルト「ホルン五重奏曲K.407による三重奏曲」hr.sax.pf.

笠間芙美(ホルン)
伊藤あさぎ(サクソフォン)
川北祥子(ピアノ)

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