魅惑の16分の13拍子2023-08-10

今週末の「トリオのひととき」の最後には、10月のアギーラ特集の予告を兼ねて「セダクションダンス(2004)」を演奏します。アギーラさんはウルグアイ出身のアメリカの作曲家で、偶然にもサリエッティさんと同じ1957年生まれ。作品も同時期のものですが、こちらは地球の裏側の未知の風景とリズムです。まずは作曲者のコメントを。

「作品はブラジルのショーロを思わせる叙情的で官能的な歌のような序奏で始まり、急に絶え間ない熱狂的なダンスに変わる。そこからは繰り返される不規則なリズムで音楽が進み、リズムが魅惑的な要素でメロディーは二次的なものとなる。16分の13拍子を中心に書かれたラテンダンスは、パーカッシブで原始的なテーマで始まり、次第に息もつかせぬ程激しくなり、曲を情熱的なクライマックスへと導く。」

これがその16分の13拍子:
魅惑の16分の13拍子

変拍子の強烈なリズムはアギーラ作品の特徴の一つですが、もちろん南米にこんな拍子のダンスがあるのではなく、ご本人も「このリズムは南米のダンスにインスパイアされたものであり、私の音楽は私の記憶の中にあるこれらのダンスを抽象化して私自身の音楽言語とリズムで表したもの。」と語っています(10月に演奏予定の「マランボ」の16分の19拍子についてのコメント)。

タイトルの「Seduction dance」は曲にぴったりの訳語が見つかりませんでしたが、意味としては「魅惑の踊り」。コメントにも「リズムが captivating (seductive) element」とあったように、魅惑の16分の13拍子にひととき身を委ねていただけたらと思います。1歳のSさん、またぜひ踊りにきてくださいね!


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今週末の演奏メニュー

2023年8月13日(日) 11時開演(10時40分開場)
於:本郷・金魚坂 / コーヒーまたは中国茶つき 1,500円

cafconc第158回
東京の週末〜トリオのひととき

ドリング「三重奏曲」
  Allegro con brio/Andante semplice/Allegro giocoso
サリエッティ「東京の週末」
  渋谷/明治神宮/渋谷へ戻る/水道橋/渋谷と間奏曲/
  増上寺/東京ドームシティ
アギーラ「セダクションダンス」
  Con nostalgia 〜 Allegro

中村淳(フルート・ピッコロ・アルトフルート)
荒木良太(オーボエ・イングリッシュホルン)
川北祥子(ピアノ)

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