マデリーン・ドリング2022-11-16

今回特集するマデリーン・ドリング(1923-77)は20世紀イギリスの作曲家・女優で、ピアノやヴァイオリンも弾き、歌も歌い、歌詞も書き、イラストや水彩画も描くというマルチアーティストです。

母親がメゾソプラノ歌手、建築家の父親はアマチュアのチェロ・ピアノ奏者で腹話術も得意、という環境で育ったマデリーンは、幼少からピアノ、ヴァイオリン、歌、児童劇団で才能を発揮し、10歳で奨学金を得て王立音楽大学のジュニア部門に入学すると、生徒たちの公演での演奏や演技、作編曲においても活躍します(が作品は本格的すぎて同世代の生徒たちには演奏困難だったりもしたようです)。15歳の時には自作のヴァイオリン作品の演奏で学校代表としてBBCの生放送に出演。16歳で正規の学生になると作曲をヴォーンウィリアムズ、ゴードン・ジェイコブらに師事、平行して演技とパントマイムも学びます。

そして演劇のクラスで出会ったオーボエ奏者ロジャー・ロード(1924–2014)と23歳で結婚(親しくなったきっかけは彼のオーディションの伴奏だったそう)、一人息子も生まれ、夫はロンドン交響楽団の首席となって活躍します。マデリーンは仕事として舞台やテレビの音楽を書き、女優としても舞台に立つかたわら、歌曲や器楽曲を中心に自身の作品を作曲しますが、彼女が54歳で脳出血(脳動脈瘤)で亡くなった時にはその多くが未出版でした。(つづく)


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来月の演奏メニュー

2022年12月11日(日) 11時開演(10時40分開場)
於:本郷・金魚坂 / コーヒーまたは中国茶つき 1,500円

cafconc第153回
マデリーン・ドリング〜生誕100年に先駆けて

ドリング「フルート・オーボエ・ピアノのための三重奏曲」
同「シェイクスピアによる歌曲集」より
  Willow song / Blow, blow thou winter wind /
  Come away, death / The cuckoo / It was a lover
同「オーボエ・ファゴット・ピアノのための三重奏曲」

中村淳(フルート)
荒木良太(オーボエ)
江草智子(ファゴット)
柳沢亜紀(ソプラノ)
川北祥子(ピアノ)

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