こどものきょく2019-02-06

2月のカフコンスは今週末2/10に開催です。
是非お誘い合せてご来場ください!
一部、前回の日付を掲載しておりました。お詫びして訂正いたします。


今週末の「こどものうた vol.1」の演奏曲目にピアノ曲を追加しました。シューマンの「子供のためのアルバム」とライネッケの「おとぎ話の登場人物」は、(12月のマルタン1月のドヴォルザークに引き続き)両作曲家が自分の娘に贈った小品集です。

ライネッケ(1824-1910)は本格的な作品と並行して「家庭向け」と呼べるような作品も多く、ヴァイオリン付きの芸術歌曲があるかと思えば、子供向けの歌にも家庭で合奏できるような易しいヴァイオリン助奏を取り入れたり、娘のためにおとぎ話の主人公ウンディーネの小品を書いたかと思えば、同じ題材でフルートソナタの大作も完成させています。また幼児教育の教材まで手がけていたようで、彼のオールラウンダーぶりは留まるところを知りません。

シューマン(1810-56)の「子供のためのアルバム(1848)」は、長女の7歳の誕生日のプレゼントとして構想され、さらに様々な曲を書き足して出版されました。後に付録として添えられた教育的提言集の中では、シューマンは歌うことの重要性も説いており、姉妹作と呼べる「子供のための歌のアルバム(1849)」が生まれたのはそんな理由からかもしれません。この頃から折にふれて書かれた子供のためのピアノ曲や連弾曲は、子供たちの成長を綴っていくようでもありましたが、数年後、シューマンは14歳から2歳までの7人の子供を残して亡くなります。

ブラームス(1833-97)は、師シューマンの死後、残された子供たちに、子供もよく知っている民謡に伴奏付けした「子供の民謡集(1857)」を贈りました。子供のための作品を書かなかった彼を、他の民謡集のついでかもしれないとはいえ曲集を作る気にさせてしまうなんて、子供というのは本当に特別な存在だと感じさせられます(その子供たちの一人にブラームスがもっと特別な感情を抱くのはまた後の話)。

ちなみに、シューマンの子供たちのピアノの腕は、贈られたソナタの難易度をみても、相当なものだったことがうかがえます。シューマンとクララの子供なら才能も譲り受けていたのでしょうが、両親もピアノに向かう時間が長いだろうし、子供たちは練習できたのだろうか?シューマン家にはピアノが何台あったのだろう?という疑問も浮かぶのでした。(川北)


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今週末の演奏メニュー

2019年 2月10日(日) 11時開演(10時40分開場)
於:本郷・金魚坂 / コーヒーまたは中国茶つき 1,500円

cafconc第136回
こどものうた vol.1

シューマン「子供のための歌のアルバム」より
  日曜日/夕べの星/
  春のしらせ/春の到来/春だ
同「子供のためのアルバム」より(ピアノソロ)
  春の歌/前奏曲/小さなワルツ
ライネッケ「子供の歌曲集」より
  小さなヴァイオリンがほしい/ゆかいな音楽家/
  並んだ五つ
ブラームス「子供の民謡集」より
  いばら姫/砂の妖精
ライネッケ「おとぎ話の登場人物」より(ピアノソロ)
  七人の小人/ウンディーネ
シューマン「子供のための歌のアルバム」より
  テントウムシ/小さなフクロウ/
  牛飼いの別れ/追いかける鐘/ミニヨン

渡辺有里香(ソプラノ)
川北祥子(ピアノ)

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