ドヴォルジャークの交差するルーツ・タイムズスクエア2019-01-21

今週末のカフコンスではドヴォルジャークの「ヴァイオリンとピアノのためのソナチネop.100」をメインにとりあげます。ドヴォルジャークといえばチェコ国民楽派を代表する作曲家ですが、「ソナチネ」は「新世界より」「アメリカ」と同じくアメリカで書かれました。

1892年にニューヨークのナショナル音楽院の院長に就任したドヴォルジャークは、翌93年に「交響曲"新世界より"op.96」を完成させた後、夏の休暇をアイオワ州のチェコ移民の村スピルヴィルで過ごし、「弦楽四重奏曲"アメリカ"op.96」などを作曲しました。この休暇中に訪れたミネソタ州のミネハハの滝の印象をもとに、ニューヨークに戻って着手したのが「ソナチネ」です。

ドヴォルジャークのアメリカ時代の作品の多く(の部分)は、先住民の英雄を描いたロングフェローの「ハイアワサの歌」から着想を得たと言われます。そのハイアワサの婚約者の名でもある「ミネハハ」の伝説の滝にも魅了された彼は、作品番号100という特別な節目に、自分の子供たちへ彼らが演奏できるような易しい作品を贈ることを思いつきました。(ニューヨークへの帰途に立ち寄ったナイアガラの滝の衝撃からは大作「チェロ協奏曲op.104」が生まれています。さすがにスケールが違いますね。)

かつてはアマチュア奏者に難しすぎる「小三重奏曲op.74」を書いてしまったドボルジャークですが、「ソナチネ」では15歳の娘オティーリエのピアノと10歳の息子アントニンのヴァイオリンを想定し、ヴァイオリンパートを第3ポジションまでで演奏できるよう留意。記念すべき第100番は無事、子供たちによって私的初演され、「子供向けに作曲したが大人も楽しめるだろう」という予想を超えて、他の楽器でも演奏されるほどの人気作となりました。(オティーリエは後に父の弟子スークと結婚してさらに多くの作品を贈られますが、渡米前の13歳の頃にはもうスークとつきあっていて、父親にもバレていたようです。)

今回はこの「ソナチネ」をクラリネットとピアノで演奏します。平易明快な中に交差するチェコとアメリカのルーツ、そしてミネハハの滝での感銘から生まれた美しい二楽章をお楽しみください。


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今週末の演奏メニュー

2019年1月27日(日) 11時開演(10時40分開場)
於:本郷・金魚坂 / コーヒーまたは中国茶つき 1,500円

cafconc第135回
デュオのひととき~クラリネットとピアノによる東欧作品

ドボルジャーク「ソナチネ op.100」
ショパン「ノクターン op.62-2」pf-solo
バルトーク「ルーマニア民俗舞曲」

岩渕仁美(クラリネット)
杉江颯恵(ピアノ)

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コメント

_ 釈千手 ― 2019-01-27 12:07

今日はありがとうございました。
ルーマニア民俗舞曲
帯踊り
クラリネットの音色がピッタリの曲ですね。
ソナチネ
第4楽章
確かに同じ主題が変調して繰り返されところが印象的でした。前半は何となく和の感じがして頭の中に勝手に歌詞(笑)が浮かんできました。
クラリネットポルカ
よく聴く曲なのに作者不詳とは知りませんでした。
今日は素敵な演奏をありがとうございました。

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