バッタ/スズメバチ(ブリテン)2013-04-14

今月のカフコンス、ソプラノとピアノによる「虫のカタログ」では、ゲストにフルートとオーボエを迎え、今年が生誕100年にあたるファインとブリテンの作品もご紹介します。

ブリテン(1913-1978)の「2つの昆虫の小品(バッタ/スズメバチ)」はオーボエとピアノのための2曲組で、友人のオーボエ奏者シルヴィア・スペンサーのために1935年4月に作曲、同月に私的初演、2人の没後1979年にスペンサーの追悼演奏会で公的初演されました。

ブリテンは当初オーボエと弦楽オーケストラのための数曲(5曲?)組を構想しており、ピアノ伴奏版はそのスケッチだったため、公的初演も生前に行われなかったようです。もし完成していたらイギリスの「昆虫館」になっていたかもしれませんね。断片はいくつか残されているようなので、他にどんな虫が登場していたのかだけでも知りたい所です。

さて、2曲は、バッタのジャンプや、
バッタ

スズメバチの飛び回る様子など、
スズメバチ

こんなモティーフの組み合わせでできているのがユニーク、その上で1曲ごとにきちんと「三部形式の楽曲」に仕立てられているのもユニークです。そういう律儀な所(?)も未完の理由な気がしますが...

ちなみに、曲というよりアイディアのスケッチのようなランゴーの「昆虫館」は1曲が1分未満、虫でも何でもいつも自分のスタイルのフランセの「昆虫館」は普段通り1曲1〜2分。三部形式を採ったブリテンは2曲計5〜6分で、虫の世界としては比較的規模の大きい器楽作品と言っていいのではないでしょうか(笑)


--------------------------------------------------

今月の演奏メニュー

2013年4月28日(日) 11時開演(10時40分開場)
於:本郷・金魚坂 / コーヒーまたは中国茶つき 1,500円

cafconc第101回
虫のカタログ

ゴダール「ミツバチ」
シャブリエ「セミ」※曲目を変更しました(4/13)
ヴィエネル「カタツムリ/アリ/ホタル」
マヌーキアン「ハエ」
サンサーンス「テントウムシ/トンボ」
アルカン(生誕200年)「コオロギ」
フランセ「ムカデ/甲虫」
ランゴー「シバンムシ/大蚊/蚊」
ファイン(生誕100年)「蜘蛛」
ブリテン(生誕100年)「バッタ/スズメバチ」
ほか予定

渡辺有里香(ソプラノ)
川北祥子(ピアノ)
ゲスト:
山本葵(フルート)
若木麻有(オーボエ)

--------------------------------------------------