NEW YEAR OPERA CONCERT ― 1994-01-09

stravinsky ensemble サロンコンサート 2
1994年1月8-9日 於:榎坂スタジオ
*曲目
タールベルク:
ロッシーニの「セヴィリアの理髪師」による大幻想曲(pf.川北)
ロッシーニ:
「セヴィリアの理髪師」何でも屋の歌(フィガロ:吉川)
ドニゼッティ:
「ベトリィ」この貧しい質素な山小屋で(ベトリィ:石橋)
「アンナ・ボレーナ」あの懐かしいお城へ連れていって(アンナ:柳沢)
「連隊の娘」ああ何という幸運(トニオ:岡本/伍長:安蔵/男声合唱)
パスクッリ:
「海賊/夢遊病の女」によるベッリーニへのオマージュ(EH.和久井)
マスネ:
「エロディアード」優しく気高い(サロメ:泉)
シャルパンティエ:
「ルイーズ」その日から(ルイーズ:砂畑)
ビゼー:
「カルメン」ハバネラ・恋は野の鳥(カルメン:小川)
母さんのことを話して(ミカエラ:砂畑/ホセ:岡本)
ジプシーの歌
(カルメン:小川/メルセデス:泉/フラスキータ:砂畑/女声合唱)
モーツァルト:
「フィガロの結婚」もう飛ぶまいぞこの蝶々(fl.田中/ob.和久井)
「ドン・ジョヴァンニ」恋人よこの薬で(fl.田中/ob.和久井)
乙女よ恋をするなら今のうち(fl.田中/ob.和久井)
「コシ・ファン・トゥッテ」男というものは(デスピーナ:柳沢)
恋人の優しい息吹きは(フェランド:二渡)
私はブルネットの方がいいわ(ob.和久井/cl.大成)
ロヴェッリョ/ジャンピエーリ:
「椿姫」による演奏会用幻想曲(cl.大成)
ヴェルディ:
「椿姫」幸せなある日(fl.田中/cl.大成)
「オテロ」柳の歌(デスデーモナ:神田)
「リゴレット」愛する美しい乙女よ
(ジルダ:柳沢/マッダレーナ:小川/公爵:稲田/リゴレット:吉川)
「椿姫」乾杯の歌
*ワイン&リクエストコーナー
ドニゼッティ:
「愛の妙薬」フィナーレ
*出演
石橋香緒里 ソプラノ
泉地香子 ソプラノ
岡本泰寛 テノール
小川明子 アルト
神田彩 ソプラノ
砂畑直子 ソプラノ
二渡唯次 テノール
柳沢亜紀 ソプラノ
吉川誠二 バリトン
安蔵博 バリトン
稲田昭徳 テノール
高田正人 テノール
田中典子 フルート
和久井仁 オーボエ/イングリッシュホルン
大成雅志 クラリネット
川北祥子 ピアノ
*解説
◆タールベルク:ロッシーニの「セビリアの理髪師」による大幻想曲
タールベルクは19世紀に活躍したピアニストで自身の演奏会の為のピアノ曲を多く残し、その大部分がオペラからの編曲で占められる。この曲に使われている旋律は、「静かに口を開かずに」、兵隊の音楽、伯爵のアリア「東の空がほほえみ」、三重唱「静かに黙って」、一幕フィナーレ「頭が混乱する」など。
◆ロッシーニ:「セビリアの理髪師」何でも屋の歌
イタリア初期ロマン歌劇最大の作曲家ロッシーニの傑作。舞台はスペインのセビリア。町の何でも屋、床屋のフィガロが、美しい娘ロジーナに夢中な伯爵の恋の橋渡しに活躍する喜劇。「さあ町の何でも屋のお通りだ。腕のいい床屋は大忙し。何と楽しく素晴らしく幸福な人生だ。」というフィガロ登場のアリア。
◆ドニゼッティ:「ベトリィ」この貧しい質素な山小屋で
19世紀ロッシーニに続き活躍したのはドニゼッティとベッリーニで、この三人はベル・カント・オペラの三大巨匠と呼ばれる。アルプスの山村の若者たちが繰り広げる喜劇「ベトリィ」は作曲者自身の台本による。熱烈に彼女を愛する青年ダニエルに振り向きもせずベトリィは「私はいつも自由で幸せ」と歌う。
◆ドニゼッティ:「アンナ・ボレーナ」あの懐かしいお城へ連れていって
ドニゼッティの初期の成功作で、以降新しいロマン派形式を開拓してゆく転機となった作品。16世紀のイギリス、ヘンリ-8世は王妃アンナ付の女官に愛情を寄せ、ついにアンナを罠に陥れて牢に監禁する。アンナは錯乱状態で「あの懐かしいお城へ連れていって」と歌い、新王妃を迎える祝砲を聞き息絶える。
◆ドニゼッティ:「連隊の娘」ああ何という幸運
世界的な名声を得たドニゼッティがパリの劇場の為に書いた作品。ナポレオン戦争の時代、戦場で拾われ連隊で育ったマリアを愛するトニオは、入隊し兵隊たちに結婚を認めてくれと頼む。隊長は「マリアも君を愛しているなら許そう」と答え、トニオは「何という幸運、僕は彼女の夫、そして軍人さ」と歌う。
◆パスクッリ:「海賊/夢遊病の女」によるベッリーニへのオマージュ
パスクッリは19世紀イタリアの名オ-ボエ奏者で、ベッリーニへのオマージュと題されたこの曲には、二つの対照的なオペラからの旋律が選ばれ、悲劇「海賊」より狂乱の場への間奏曲、牧歌喜劇「夢遊病の女」より五重唱「私は悪い女じゃないわ」が引用されている。オリジナルはハープとの二重奏である。
◆マスネ:「エロディアード」優しく気高い
19世紀フランス・ロマンティック歌劇を代表する作曲家マスネの初期の出世作であるが、現在ではこのアリアのみが有名でほとんど上演されない。自分がヘロド王妃エロディアードの娘であることを知らないサロメは砂漠で会った予言者ヨハネに憧れ、「優しく気高い人柄、澄んだ声に私の心は安らぐ」と歌う。
◆シャルパンティエ:「ルイーズ」その日から
シャルパンティエはマスネの弟子で、フランス・ロマン派最後の作曲家とされる。両親のもとから巣立ち詩人ジュリアンと結ばれたお針子ルイーズは初夏の黄昏時、モンマルトルの丘で眼下に広がるパリの町を眺め、「あなたに身を委ねたその日から、私の歩む道は花が咲いたみたいなの」と幸せいっぱいに歌う。
◆ビゼー:「カルメン」恋は野の鳥(ハバネラ)/母さんの事を話して(二重唱)/ジプシーの歌
セビリアのタバコ工場の広場、女工の中でひときわ妖艶なジプシ-女カルメンは言い寄る男達に囲まれ「恋は野の鳥、飼いならすことなんかできやしない」と歌い胸の花を伍長ホセに投げつけて去る。そこへ許嫁のミカエラがホセの故郷の母親からの手紙を持って現れ、愛の二重唱となり、ミカエラは母親からのキスを伝えて去る。ホセはカルメンに溺れ、やがて闘牛士に心移りしたカルメンを刺すという悲劇的結末をむかえる。ジプシーの歌は町外れのリーリャス・パスティアの酒場で女達によって歌われる軽快な歌。
◆モーツァルト:オペラによる二重奏(3曲)
「フィガロの結婚」もう飛ぶまいぞこの蝶々~かつての何でも屋フィガロは、今では伯爵夫妻の従僕。今度は自分の結婚のために奮闘する。兵隊に行かされるケルビーノをからかって歌うフィガロのアリア。
「ドン・ジョヴァンニ」恋人よこの薬で~ツェルリーナは傷ついた恋人を介抱しながら「私がお薬よ」と歌う。/乙女よ恋をするなら今のうち~ツェルリーナとマゼットの結婚式の準備をする村人達の歌。
◆モーツァルト:「コシ・ファン・トゥッテ」男というものは/恋人の優しい息吹きは/私はブルネットのほうがいいわ
青年士官グリエルモとフェランドは許嫁のフィオルディリージとドラベラ姉妹が本当に貞節かどうか試すために芝居をうち、現地に赴くことになったと別れを告げる。小間使いのデスピーナは涙にくれる姉妹に「軍人なんかあてにならないから女も浮気をしたほうが得」とそそのかす。男たちは異国の貴族に変装して姉妹を誘惑するが一向になびかない。フェランドは自分の恋人の貞節を喜び「恋人の優しい息吹きに心は安らぐ」と歌うが、ついに姉妹は「あなたはどの男にする?」と相談を始める。女はみんなこうしたもの。
◆ロヴェッリョ/ジャンピエーリ:「椿姫」による演奏会用幻想曲
◆ヴェルディ:「椿姫」幸せなある日
19世紀後期のイタリア・ロマン派歌劇を代表するヴェルデ中期の名作「椿姫」から、熱い思いを告白するアルフレード(クラリネット)と軽くあしらうヴィオレッタ(フルート)の二重唱と、彼に魅かれていくヴィオレッタのアリア「ああ、そは彼の人か~花より花へ」によるクラリネットの華麗なる幻想曲。
◆ヴェルディ:「オテロ」柳の歌
ヴェルディはその後期にはシェークスピアに傾倒していた。キプロス総督オテロは部下イヤーゴらの策略によって妻デスデーモナの不貞を疑うようになりついには殺してしまう。不吉な予感の中でデスデーモナは、幼い頃母の女中で男に棄てられたバルバラから聞かされた悲しい歌を歌い、泣きながら眠りにつく。
◆ヴェルディ:「リゴレット」愛する美しい乙女よ(四重唱)
中期の一作目にあたる作品。」マントヴァ公爵のお抱え道化リゴレットは一人娘ジルダを公爵にもて遊ばれ殺し屋に暗殺を頼むが殺し屋の妹マッダレーナも公爵の手にかかり兄の計画を阻む。裏切られてさえも公爵を愛するジルダは、自ら彼の身代わりになり殺される。「美しい乙女よ」と誘惑する公爵と「お戯れを」と笑うマッダレーナ、陰で嘆くジルダと娘を慰め復讐を誓うリゴレットの四重唱は、前時代のように単に和音を形成するのではなく、個々の性格を強く主張させるヴェルディ独自の手法によるものである。
◆ヴェルディ:「椿姫」陽気に楽しく杯を酌み交わそう(乾杯の歌)
パリ社交界の花形ヴィオレッタは純真な青年アルフレードに心打たれ真の恋を知るが、彼の父から一家の名声の為と絶縁を迫られ身を引く。病が進んだヴィオレッタは、事の次第を知り駆けつけたアルフレードに抱かれ息をひきとる。有名な「乾杯の歌」はパリのヴィオレッタの家での華やかな宴の中で歌われる。
◆ドニゼッティ:「愛の妙薬」フィナーレ
インチキ薬売りのドゥルカマーラが売り歩く愛の妙薬(実はただの安ワイン)の引き起こす騒動を描いたドニゼッティの人間喜劇の傑作。フィナーレは、「私にも一瓶」「大先生ばんざい」と叫ぶ村人達、「彼の事は決して忘れない」と感謝する恋人達の中をドゥルカマーラが懲りずに「この中に健康、美しさ、陽気、幸運、お金、その全てがあるのですよ」、とインチキを並べ立てながら去り、オペラは幕となる。
1994年1月8-9日 於:榎坂スタジオ
*曲目
タールベルク:
ロッシーニの「セヴィリアの理髪師」による大幻想曲(pf.川北)
ロッシーニ:
「セヴィリアの理髪師」何でも屋の歌(フィガロ:吉川)
ドニゼッティ:
「ベトリィ」この貧しい質素な山小屋で(ベトリィ:石橋)
「アンナ・ボレーナ」あの懐かしいお城へ連れていって(アンナ:柳沢)
「連隊の娘」ああ何という幸運(トニオ:岡本/伍長:安蔵/男声合唱)
パスクッリ:
「海賊/夢遊病の女」によるベッリーニへのオマージュ(EH.和久井)
マスネ:
「エロディアード」優しく気高い(サロメ:泉)
シャルパンティエ:
「ルイーズ」その日から(ルイーズ:砂畑)
ビゼー:
「カルメン」ハバネラ・恋は野の鳥(カルメン:小川)
母さんのことを話して(ミカエラ:砂畑/ホセ:岡本)
ジプシーの歌
(カルメン:小川/メルセデス:泉/フラスキータ:砂畑/女声合唱)
モーツァルト:
「フィガロの結婚」もう飛ぶまいぞこの蝶々(fl.田中/ob.和久井)
「ドン・ジョヴァンニ」恋人よこの薬で(fl.田中/ob.和久井)
乙女よ恋をするなら今のうち(fl.田中/ob.和久井)
「コシ・ファン・トゥッテ」男というものは(デスピーナ:柳沢)
恋人の優しい息吹きは(フェランド:二渡)
私はブルネットの方がいいわ(ob.和久井/cl.大成)
ロヴェッリョ/ジャンピエーリ:
「椿姫」による演奏会用幻想曲(cl.大成)
ヴェルディ:
「椿姫」幸せなある日(fl.田中/cl.大成)
「オテロ」柳の歌(デスデーモナ:神田)
「リゴレット」愛する美しい乙女よ
(ジルダ:柳沢/マッダレーナ:小川/公爵:稲田/リゴレット:吉川)
「椿姫」乾杯の歌
*ワイン&リクエストコーナー
ドニゼッティ:
「愛の妙薬」フィナーレ
*出演
石橋香緒里 ソプラノ
泉地香子 ソプラノ
岡本泰寛 テノール
小川明子 アルト
神田彩 ソプラノ
砂畑直子 ソプラノ
二渡唯次 テノール
柳沢亜紀 ソプラノ
吉川誠二 バリトン
安蔵博 バリトン
稲田昭徳 テノール
高田正人 テノール
田中典子 フルート
和久井仁 オーボエ/イングリッシュホルン
大成雅志 クラリネット
川北祥子 ピアノ
*解説
◆タールベルク:ロッシーニの「セビリアの理髪師」による大幻想曲
タールベルクは19世紀に活躍したピアニストで自身の演奏会の為のピアノ曲を多く残し、その大部分がオペラからの編曲で占められる。この曲に使われている旋律は、「静かに口を開かずに」、兵隊の音楽、伯爵のアリア「東の空がほほえみ」、三重唱「静かに黙って」、一幕フィナーレ「頭が混乱する」など。
◆ロッシーニ:「セビリアの理髪師」何でも屋の歌
イタリア初期ロマン歌劇最大の作曲家ロッシーニの傑作。舞台はスペインのセビリア。町の何でも屋、床屋のフィガロが、美しい娘ロジーナに夢中な伯爵の恋の橋渡しに活躍する喜劇。「さあ町の何でも屋のお通りだ。腕のいい床屋は大忙し。何と楽しく素晴らしく幸福な人生だ。」というフィガロ登場のアリア。
◆ドニゼッティ:「ベトリィ」この貧しい質素な山小屋で
19世紀ロッシーニに続き活躍したのはドニゼッティとベッリーニで、この三人はベル・カント・オペラの三大巨匠と呼ばれる。アルプスの山村の若者たちが繰り広げる喜劇「ベトリィ」は作曲者自身の台本による。熱烈に彼女を愛する青年ダニエルに振り向きもせずベトリィは「私はいつも自由で幸せ」と歌う。
◆ドニゼッティ:「アンナ・ボレーナ」あの懐かしいお城へ連れていって
ドニゼッティの初期の成功作で、以降新しいロマン派形式を開拓してゆく転機となった作品。16世紀のイギリス、ヘンリ-8世は王妃アンナ付の女官に愛情を寄せ、ついにアンナを罠に陥れて牢に監禁する。アンナは錯乱状態で「あの懐かしいお城へ連れていって」と歌い、新王妃を迎える祝砲を聞き息絶える。
◆ドニゼッティ:「連隊の娘」ああ何という幸運
世界的な名声を得たドニゼッティがパリの劇場の為に書いた作品。ナポレオン戦争の時代、戦場で拾われ連隊で育ったマリアを愛するトニオは、入隊し兵隊たちに結婚を認めてくれと頼む。隊長は「マリアも君を愛しているなら許そう」と答え、トニオは「何という幸運、僕は彼女の夫、そして軍人さ」と歌う。
◆パスクッリ:「海賊/夢遊病の女」によるベッリーニへのオマージュ
パスクッリは19世紀イタリアの名オ-ボエ奏者で、ベッリーニへのオマージュと題されたこの曲には、二つの対照的なオペラからの旋律が選ばれ、悲劇「海賊」より狂乱の場への間奏曲、牧歌喜劇「夢遊病の女」より五重唱「私は悪い女じゃないわ」が引用されている。オリジナルはハープとの二重奏である。
◆マスネ:「エロディアード」優しく気高い
19世紀フランス・ロマンティック歌劇を代表する作曲家マスネの初期の出世作であるが、現在ではこのアリアのみが有名でほとんど上演されない。自分がヘロド王妃エロディアードの娘であることを知らないサロメは砂漠で会った予言者ヨハネに憧れ、「優しく気高い人柄、澄んだ声に私の心は安らぐ」と歌う。
◆シャルパンティエ:「ルイーズ」その日から
シャルパンティエはマスネの弟子で、フランス・ロマン派最後の作曲家とされる。両親のもとから巣立ち詩人ジュリアンと結ばれたお針子ルイーズは初夏の黄昏時、モンマルトルの丘で眼下に広がるパリの町を眺め、「あなたに身を委ねたその日から、私の歩む道は花が咲いたみたいなの」と幸せいっぱいに歌う。
◆ビゼー:「カルメン」恋は野の鳥(ハバネラ)/母さんの事を話して(二重唱)/ジプシーの歌
セビリアのタバコ工場の広場、女工の中でひときわ妖艶なジプシ-女カルメンは言い寄る男達に囲まれ「恋は野の鳥、飼いならすことなんかできやしない」と歌い胸の花を伍長ホセに投げつけて去る。そこへ許嫁のミカエラがホセの故郷の母親からの手紙を持って現れ、愛の二重唱となり、ミカエラは母親からのキスを伝えて去る。ホセはカルメンに溺れ、やがて闘牛士に心移りしたカルメンを刺すという悲劇的結末をむかえる。ジプシーの歌は町外れのリーリャス・パスティアの酒場で女達によって歌われる軽快な歌。
◆モーツァルト:オペラによる二重奏(3曲)
「フィガロの結婚」もう飛ぶまいぞこの蝶々~かつての何でも屋フィガロは、今では伯爵夫妻の従僕。今度は自分の結婚のために奮闘する。兵隊に行かされるケルビーノをからかって歌うフィガロのアリア。
「ドン・ジョヴァンニ」恋人よこの薬で~ツェルリーナは傷ついた恋人を介抱しながら「私がお薬よ」と歌う。/乙女よ恋をするなら今のうち~ツェルリーナとマゼットの結婚式の準備をする村人達の歌。
◆モーツァルト:「コシ・ファン・トゥッテ」男というものは/恋人の優しい息吹きは/私はブルネットのほうがいいわ
青年士官グリエルモとフェランドは許嫁のフィオルディリージとドラベラ姉妹が本当に貞節かどうか試すために芝居をうち、現地に赴くことになったと別れを告げる。小間使いのデスピーナは涙にくれる姉妹に「軍人なんかあてにならないから女も浮気をしたほうが得」とそそのかす。男たちは異国の貴族に変装して姉妹を誘惑するが一向になびかない。フェランドは自分の恋人の貞節を喜び「恋人の優しい息吹きに心は安らぐ」と歌うが、ついに姉妹は「あなたはどの男にする?」と相談を始める。女はみんなこうしたもの。
◆ロヴェッリョ/ジャンピエーリ:「椿姫」による演奏会用幻想曲
◆ヴェルディ:「椿姫」幸せなある日
19世紀後期のイタリア・ロマン派歌劇を代表するヴェルデ中期の名作「椿姫」から、熱い思いを告白するアルフレード(クラリネット)と軽くあしらうヴィオレッタ(フルート)の二重唱と、彼に魅かれていくヴィオレッタのアリア「ああ、そは彼の人か~花より花へ」によるクラリネットの華麗なる幻想曲。
◆ヴェルディ:「オテロ」柳の歌
ヴェルディはその後期にはシェークスピアに傾倒していた。キプロス総督オテロは部下イヤーゴらの策略によって妻デスデーモナの不貞を疑うようになりついには殺してしまう。不吉な予感の中でデスデーモナは、幼い頃母の女中で男に棄てられたバルバラから聞かされた悲しい歌を歌い、泣きながら眠りにつく。
◆ヴェルディ:「リゴレット」愛する美しい乙女よ(四重唱)
中期の一作目にあたる作品。」マントヴァ公爵のお抱え道化リゴレットは一人娘ジルダを公爵にもて遊ばれ殺し屋に暗殺を頼むが殺し屋の妹マッダレーナも公爵の手にかかり兄の計画を阻む。裏切られてさえも公爵を愛するジルダは、自ら彼の身代わりになり殺される。「美しい乙女よ」と誘惑する公爵と「お戯れを」と笑うマッダレーナ、陰で嘆くジルダと娘を慰め復讐を誓うリゴレットの四重唱は、前時代のように単に和音を形成するのではなく、個々の性格を強く主張させるヴェルディ独自の手法によるものである。
◆ヴェルディ:「椿姫」陽気に楽しく杯を酌み交わそう(乾杯の歌)
パリ社交界の花形ヴィオレッタは純真な青年アルフレードに心打たれ真の恋を知るが、彼の父から一家の名声の為と絶縁を迫られ身を引く。病が進んだヴィオレッタは、事の次第を知り駆けつけたアルフレードに抱かれ息をひきとる。有名な「乾杯の歌」はパリのヴィオレッタの家での華やかな宴の中で歌われる。
◆ドニゼッティ:「愛の妙薬」フィナーレ
インチキ薬売りのドゥルカマーラが売り歩く愛の妙薬(実はただの安ワイン)の引き起こす騒動を描いたドニゼッティの人間喜劇の傑作。フィナーレは、「私にも一瓶」「大先生ばんざい」と叫ぶ村人達、「彼の事は決して忘れない」と感謝する恋人達の中をドゥルカマーラが懲りずに「この中に健康、美しさ、陽気、幸運、お金、その全てがあるのですよ」、とインチキを並べ立てながら去り、オペラは幕となる。
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