モーツァルトとシュタードラーvol.9(カフコンス第151回)2022-07-17

Mozart!

*曲目

モーツァルト「夕べの想い」
Wolfgang Amadeus Mozart (1756-91)
Abendempfindung K523 (1787)

シュタードラー「二重奏曲」
Anton Stadler (1753-1812)
Duo für 2 Klarinetten
  1.Moderato
  2.Romanze Adagio ma non troppo
  3.Menuetto
  4.Rondo Allegro molto

ドヴィエンヌ「三重奏曲」より
François Devienne (1759-1803)
Trio pour 2 clarinettes et basson op.75-1 (1801-2?)
  2.Rondo Allegretto

ベートーヴェン「モーツァルトの歌劇《ドン・ジョヴァンニ》より〈お手をどうぞ〉の主題による変奏曲」
Ludwig van Beethoven (1770-1827)
Variationen über das Thema "Là ci darem la mano" aus Mozarts "Don Giovanni" WoO28 (1795)
  主題 Thema Andante
  変奏1 Allegretto
  2 Allegretto
  3 Andante
  4 Allegro moderato
  5 Moderato
  6 Lento espressivo
  7 Alegretto scherzando
  8 Allegretto giocoso
  コーダ Coda Vivace - Andante

(モーツァルト「Non più andrai」)


*出演

大橋裕子(クラリネット)
飯田真弓(クラリネット)
吉田早織(ファゴット)


*プログラムコメント

 本日は第151回カフコンスへお越しいただきありがとうございます。
 「モーツァルトとシュタードラー」第9回となりました。モーツァルトのクラリネット作品の多くが、A・シュタードラーのために作曲されているということから名付けたこのシリーズです。本日は周辺の様々な室内楽曲と共に、クラリネットとファゴットのアンサンブルを愉しんでいただけたらと思います。

 「夕べの想い」はモーツァルトの歌曲の中でも有名な曲の一つ。父レオポルトの死後に書かれたとされていて、哀愁もありながら深く美しいメロディーが紡がれていきます。もう夕暮れだ、日が沈んでゆく、から始まる美しいドイツ語の詩も素晴らしいので原曲も聴いていただきたい。『ドン・ジョヴァンニ』が初演された年に書かれた歌曲。

 シュタードラー兄弟はクラリネット・バセットホルンの優れた演奏家、二人ともウィーンの宮廷楽団に雇われていました。兄のアントンは当時のクラリネットのさらに幅広い響きを持つ低音域拡張を考案し、モーツァルトがコンチェルトや五重奏曲を作曲したのはこの楽器の為でもありました。アントン自身もソロやデュオなどを何曲か作曲しており、いずれも緩急のあるいくつかの短い楽章から成り立つ気軽で楽しい楽曲です。本日は二人の奏者のメロディが交互に入れ変わるキャラクターの違いなどにも注目してお聴きください。

 ドヴィエンヌは18世紀フランスの作曲家でパリ音楽院の初代フルート科教授、宮廷楽団のバスーン奏者でした。管楽器ではフルート、ファゴットの楽曲などが知られています。3年違いで生まれたモーツァルトと同時期に活躍していたことからもフランスのモーツァルトともよばれています。

 モーツァルトのオペラ『ドン・ジョヴァンニ』、ドン・ジョヴァンニが結婚間近の村娘ツェルリーナを誘惑する場での2重唱曲「お手をどうぞ」の旋律が主題になっています。有名なフレーズ、聴いたことがあるかもしれません。1797年にオーストリアのブルク劇場で演奏されたという記録が残っています。オリジナルは2本のオーボエとコーラングレという編成ですが本日はクラリネットとファゴットで演奏します。クラリネットはB管なので音を1音あげて(ドをレと読む)楽譜をよんでいるので聴こえる調は同じなのですが、金魚坂でどんな響きになるのか私たちも楽しみです。
 プログラム全体で30年程の間の曲を選曲しましたが、それぞれの古典的なアプローチを再考することもまた新鮮でした。


*ブログ

2022-07-18 ご来場ありがとうございました
2022-07-17 モーツァルトとシュタードラーvol.9(カフコンス第151回)
2022-07-16 明日はモーツァルト!
2022-07-14 シュタードラーも!
2022-07-12 週末はモーツァルト!
2022-07-09 メインはベートーヴェン!
2022-07-01 今月はモーツァルト!

コメント

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

※投稿には管理者が設定した質問に答える必要があります。

名前:
メールアドレス:
URL:
次の質問に答えてください:
このブログのタイトルにもなっているカフェコンサートの名前は?(カタカナ5文字でお答えください。)

コメント:

トラックバック

このエントリのトラックバックURL: http://cafconc.asablo.jp/blog/2022/07/17/9507746/tb

※なお、送られたトラックバックはブログの管理者が確認するまで公開されません。