メインはベートーヴェン!2022-07-09

来週末7/17のカフコンスはモーツァルトシリーズですが、メインはベートーヴェンです。

ベートーヴェンは1792年に故郷ボンからウィーンへ移り、前年に亡くなったモーツァルトに代わって人気を得ました。この時期に変奏曲が数多く作曲されたのは、流行りの旋律を盛り込めるからという理由もあったでしょうし、それらの変奏曲が後のより独創的な変奏曲への足がかりにもなったのでしょう。

今回演奏する「モーツァルトの《ドン・ジョヴァンニ》の〈お手をどうぞ〉による変奏曲 WoO28(1795年)」は、元々、有名な「2本のオーボエとコールアングレのための三重奏曲op.87(1795年)」の終楽章を想定して書かれたそうです。流行歌の変奏曲を組み込んだ「三重奏曲“街の歌” op.11(1797-8年)」の構想が既にあったのですね。また「テーマと8つの変奏、短いフーガ風のコーダ」という構成は、中期の「交響曲”英雄” op.55(1803年)」にもつながると言えそうです。

「モーツァルトの美しいメロディによる古典的な変奏曲」ではありますが、その中にベートーヴェン中後期の片鱗を探してみるのも面白いかもしれません。


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来週末の演奏メニュー

2022年7月17日(日) 11時開演(10時40分開場)
於:本郷・金魚坂 / コーヒーまたは中国茶つき 1,500円

cafconc第151回
モーツァルトとシュタードラーvol.9

モーツァルト「夕べの思い」
シュタードラー「二重奏曲」
ドヴィエンヌ「三重奏曲」より
ベートーヴェン「モーツァルトの〈お手をどうぞ〉による変奏曲」

大橋裕子(クラリネット)
飯田真弓(クラリネット)
吉田早織(ファゴット)

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