避暑地担当 W2011-05-10

「夏の旅」地図 by W
「旅への誘い」、プログラムの最後は南仏の避暑地へご案内します。

エクス・アン・プロヴァンス出身のミヨー(1892-1974年)は、毎年エクスに程近い山の別荘で夏を過ごしていました。自伝でも、子供時代の幸せな夏の思い出や、「仕事もそこで一番よくできた」事に触れています。

しかし1939年に第二次世界大戦が勃発すると、その幸福な場所は「無力感と恐ろしいほどの苦痛と、動員された友人達についての日常的な不安感に圧倒された、終わることのない待機」の場所となりました。ミヨー一家は春まで別荘に留まった後、エクスからアメリカへ亡命しました。

「夏の旅(1940年)」は、そんな激動の時代に別荘で作曲された歌曲集ですが、作品自体は「戦前の休暇の楽しさを思い出させる」ものだとミヨーは語っています。それもそのはず、詩の作者カミーユ・パリアール一家もエクスで暮らし、ミヨー一家とはお互いの家や別荘を行き来する親しい間柄。彼女の綴った夏の風景はミヨーの幸せな夏の記憶にも一致したのでしょう。もしかしたら、詩に出てくる釣りやキノコ狩りにミヨー本人も居合わせていたかもしれません。

さて、イラストは「夏の旅」の地図です。楽譜を見てすぐに、絵にしたら楽しそう、と思いつきました。心のうちを描くというよりは情景と率直な感想が描かれている詩で、様子がよくわかる、という感じだからです。曲から曲への移り変わりは絵本でもめくっていくような感覚があります。一曲ごとの絵を描けたら、と思いますが、それはまたの機会に…


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今月の演奏メニュー

5月15日(日)11時~ 於:笹塚Blue-T(中国茶つき1,500円)
旅への誘い

シャブリエ「旅への誘い」sop.fg.pf.
ゴダール「旅への誘い」sop.pf.
タンスマン「ミニアチュア世界一周」より pf.
ミニョーネ「街角のワルツ」「即興のワルツ」 fg.
ミヨー「夏の旅」より(全15曲中、11曲を演奏予定) sop.pf.

渡辺有里香(ソプラノ)
江草智子(ファゴット)
川北祥子(ピアノ)

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