マ・メール・ロワ(ペロー童話集)2011-02-04

ラヴェルの4手ピアノ組曲「マ・メール・ロワ」(全5曲・1910年)は、「マ・メール・ロワ(ペロー童話集)」などのお話をもとに、ラヴェルの友人の2人の子供のために作曲され(子供達には難しすぎて弾けなかったという逸話も)、翌年にオーケストラ版、曲を追加したバレエ版も作られました。今回は第4曲「美女と野獣の対話」を、オーケストラ版をもとにした三重奏版で演奏します。

さて「美女と野獣の対話」の譜面の冒頭には、美女と野獣の3つの「対話」が書き添えられています。

「あなたは心が優しくて、醜くなんかありません。」
「ええ、私にはあたたかい心があります。でも私は化け物です。」
「あなたよりもっと化け物のような人間がたくさんいます。」
「ええ、私には人の心があります。ありがとう。でも私はただの野獣なのです。」
ーーーーーーーーーー
「美しいひとよ、私の妻になってくれませんか?」
「できません、野獣さん!」
ーーーーーーーーーー
「もう一度あなたに会えて、もう思い残すことはありません。」
「愛する野獣さん、死なないで、生きて私の夫になってください!」
すると野獣は消え、美しい王子が、呪いを解いた彼女へ感謝を告げました。(ルプランス・ド・ ボーモン夫人/作)


曲もこの物語に沿って、美女と野獣のどこかつりあわない2重奏から、2度のクライマックス(野獣のプロポーズ、美女のプロポーズ)を経て、美しい王子への変身、と、子供達にもわかりやすい構成になっています。といってもラヴェルは「死んだのは王女でパヴァーヌではない」と発言した人でもありますが...

ところで、オーケストラ版では「美女」はクラリネット、「野獣」はコントラファゴットが受け持ちます。同じラヴェルの「眠りの森の美女(マ・メール・ロワ)」ではオーボエとフルート、「亡き王女のためのパヴァーヌ」ではホルンが印象的ですが、みなさんの王女・美女のイメージはどの楽器でしょうか?


--------------------------------------------------

今月の演奏メニュー

2月13日(日)11時〜 於:笹塚Blue-T(中国茶つき1,500円)
クラリネット・ファゴットによる二重奏~美女と野獣の対話

ラヴェル「美女と野獣の対話("マ・メール・ロワ"より)」
プーランク「クラリネットとファゴットのためのソナタ」
R.シュトラウス「二重小協奏曲 av147」

荒木こずえ(クラリネット)
江草智子(ファゴット)
川北祥子(ピアノ)

--------------------------------------------------

コメント

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

※投稿には管理者が設定した質問に答える必要があります。

名前:
メールアドレス:
URL:
次の質問に答えてください:
このブログのタイトルにもなっているカフェコンサートの名前は?(カタカナ5文字でお答えください。)

コメント:

トラックバック

このエントリのトラックバックURL: http://cafconc.asablo.jp/blog/2011/02/04/5662866/tb

※なお、送られたトラックバックはブログの管理者が確認するまで公開されません。