春のトリオダンシュ<1>2011-02-20

トリオダンシュの「anche(s)」とは管楽器のリードのことで、「Trio d'anches」はオーボエ、クラリネット、ファゴットによる木管3重奏を指します。

20世紀初めのフランスでは木管楽器が大きな進歩を遂げ、ロマン派時代からの弦楽器優位をくつがえしました。トリオダンシュもこの時期に誕生した編成で、ミヨーやイベールら当時の第一線の作曲家に作品が委嘱されたことで「定型の編成」に定着したと考えられます。(いわゆる「パリ音楽院の試験用」とは違い、パトロンの存在もあったようですが未確認。)

次回3/27のカフコンスは、トリオダンシュ定番のミヨーとイベール、雰囲気を変えてピアソラ、ピアノを加えた4重奏、というプログラム。3月なので爽やかな曲を並べたつもりですが、「春の」トリオダンシュと言えるのかはツッコミ厳禁で。「ブエノスアイレスの」春は9月ですし...

詳しくはまた少しずつご紹介していきたいと思います。


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来月の演奏メニュー

3月27日(日)11時〜 於:笹塚Blue-T(中国茶つき1,500円)
春のトリオダンシュ

ミヨー「牧歌」
イベール「五つの小品」
ピアソラ「ブエノスアイレスの春」
フローラン・シュミット「トゥールダンシュに」*

中山正瑠(オーボエ)
荒木こずえ(クラリネット)
江草智子(ファゴット)
川北祥子(ピアノ*)

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