プーランクのソナタ2017-07-08

明日のカフコンス「デュオのひととき~クラリネットとピアノによる近代フランス音楽」のメインは、プーランク(1899-1963)の「クラリネットソナタ(1962)」です。

「僕の血には木管楽器が入っている」と語り、かねてから木管楽器のソナタ群を構想していたプーランクは、1957年にはフルートソナタを完成、ファゴットソナタにも着手していましたが、59年に巡礼に赴いたロカマドゥールの聖堂にて、6人組の盟友オネゲル(1892-1955)へ捧げるクラリネットソナタを書こうと思い立ち、同年の「Gloria」と共通のモティーフによる第2楽章を作曲、その後、未完のファゴットソナタのスケッチも用いて、62年に全3楽章のクラリネットソナタが完成しました(ちなみに同年オーボエソナタも完成し、再びファゴットソナタに取りかかるつもりもあったようです)。翌63年には自らアメリカ初演をベニー・グッドマンと行う予定でしたが、プーランクの急逝により公演はメモリアルコンサートとなり、ピアノパートはレナード・バーンスタインが演奏しました。

プーランクはオネゲルについて「彼は私の曲を軽すぎると言い、私は彼の曲を重すぎると考えていた」が「(オネゲルの晩年の3年間には)本当に理解し合い、あらゆる事を語り合った」と回想し、オネゲルから送られた「私たちは極端に性格が違うが、距離は遠いどころか近い、さまざまな違いがある事こそが人生でも芸術でも一番楽しい」という死の前年の手紙を大切にしていたといわれます。


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明日の演奏メニュー

2017年7月9日(日) 11時開演(10時40分開場)
於:本郷・金魚坂 / コーヒーまたは中国茶つき 1,500円

cafconc第127回
デュオのひととき~クラリネットとピアノによる近代フランス音楽

ヴィドール「序奏とロンド」
ラヴェル「ハイドンの名によるメヌエット/
     ボロディン風/シャブリエ風」 *ピアノソロ
プーランク「クラリネットソナタ」

相良麻衣子(クラリネット)
池山恵未(ピアノ)

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