試験課題曲2017-07-07

今週末のカフコンスは「デュオのひととき~クラリネットとピアノによる近代フランス音楽」。最初に演奏するのはハンガリー系フランス人のオルガン奏者・作曲家ヴィドール(1844-1937)がパリ音楽院の試験曲として作曲した「序奏とロンド(1898)」です。

よく目にするこの「パリ音楽院の試験曲」とは、1893年にフルート科の教授になったタファネルが、試験に既存曲でなく新曲を用いるようになったのが始まりとされ、クラリネット科では1897年のMarty「Première Fantaisie」から委嘱作を採用、ヴィドールは2年目にあたるようです。後のドビュッシーの「第1狂詩曲(1910)」も試験用に書かれたもので、各楽器の試験曲や初見用試験曲の多くが近代フランス小品の重要なレパートリーとなっています。

個人主義とされるフランス人も、このような作品群やヴォカリーズエチュード、企画曲集やらでは結束が固く見えますが、作品が群を成しているだけで、協調しているわけではないのでしょうね...


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今週末の演奏メニュー

2017年7月9日(日) 11時開演(10時40分開場)
於:本郷・金魚坂 / コーヒーまたは中国茶つき 1,500円

cafconc第127回
デュオのひととき~クラリネットとピアノによる近代フランス音楽

ヴィドール「序奏とロンド」
ラヴェル「ハイドンの名によるメヌエット/
     ボロディン風/シャブリエ風」 *ピアノソロ
プーランク「クラリネットソナタ」

相良麻衣子(クラリネット)
池山恵未(ピアノ)

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