クラリネットカフェ<2>2011-04-18

B♭管とA管
クラリネットは管楽器の中でも群を抜いて種類が多い楽器です。細かいものも含めますと、一番小さなG管から一番大きいコントラバスクラリネットまで、ざっと12種類あります。その中で普段オーケストラで使われるのはA管とB♭管、それからC管にバスクラ、Esクラが主な面子でしょうか。このAとかB♭というのは、記譜上のドの音を吹いた時に実際鳴る音の事を指しています。Aはラ、B♭はシ♭、という感じです。このようにドを吹いてもドじゃない音が出る楽器の事を移調楽器と呼びます。

なぜわざわざ移調するのかの理由は長くなるのでさておき、このA管とB♭管、半音しか違わないのにお気付きでしょうか。半音しか違わないのになぜわざわざ持ちかえるのか?どっちか1本でやったらいいじゃない、と時々言われます。しかし、たかが半音違うだけで音色が違ってくるのです。透明感があり、凛とした音のB♭管。A管はそれより甘く、深い音が鳴ります。調性や指使いを考慮した場合もありますが、作曲家はこの微妙な音色の違いを理解した上で、その曲、その旋律に合った楽器を指定してくるのです。今回は残念ながらA管を使いませんが、機会があったらぜひ聞きくらべてみてください。(荒木)


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今月の演奏メニュー

4月24日(日)11時〜 於:笹塚Blue-T(中国茶つき1,500円)
クラリネットカフェvol.3

グランドマン「カプリス」
アルビノーニ「ソナタ ト短調」
ピアソラ「タンゴの歴史」

山口真由(クラリネット)
北岡羽衣(クラリネット)
中島みどり(クラリネット)
荒木こずえ(クラリネット)

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