金色の魚たち2024-02-08

(※金魚坂さんは2月12日をもって休業されますが、23日(金祝)のカフコンスは予定通り開催いたします。11時から通常通りのカフコンス、13時からは第2部「お別れコンサート」です。)

2/23のカフコンスは「魚たちのカフェ」。ピアノ曲では、有名なドビュッシー(1862-1918)の「金色の魚(1907)」をはじめとする全くバラバラな4曲を選んだのですが、どれもドビュッシーと共通点やつながりがみつかりました。

金魚はフランス語で「赤い魚(poisson rouge)」で、「金色の魚(Poissons d’or)」というのはドビュッシーが持っていた蒔絵の箱に描かれた鯉を指します。曲は日本人からすると鯉よりももっと小さな俊敏な魚に感じられますが、ドビュッシーは蒔絵の鯉から着想を得たのであって、その鯉を描写したわけではないのでしょう。

独学で作曲を学んだイギリスの男爵バーナーズ卿(1883-1950)の「金色の魚(1915)」は、良い意味でセオリー通りの無調の作品で、作曲の助言を受けていたストラヴィンスキーに贈られています。添えられた自作の仏語の詩は金魚を思わせ、英語の「goldfish(金魚)」をそのまま仏語に訳した可能性もありそうです。

スペインの作曲家グリニョン(1899-1962)の「魚の修道院(1940年代頃)」は「映像(Imatges)」という曲集に収められています。出版の際につけられたタイトルかもしれませんが、印象派的な小品集ということでドビュッシーの「映像(Images)」(第2集の終曲が「金色の魚」)に倣ったものと想像できます。

サティ(1866-1925)の「夢みる魚(1900-01)」はお得意の奇抜なタイトルではなく、友人ド・ラトゥール(ジムノペディ等は彼の詩から着想された)の同名の作品のために大真面目に書かれたピアノ曲。作曲中に思い悩んだサティはドビュッシーにも相談、ドビュッシーが後年「金色の魚」に同じモティーフを使用したと言われます。


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今月の演奏メニュー

2024年2月23日(金祝) 11時開演(10時40分開場) 11時50分終演予定
於:本郷・金魚坂 / 1ドリンクつき 1,500円

cafconc第163回
魚たちのカフェ

ドビュッシー「金色の魚」/バーナーズ「金色の魚」ピアノ
アーン「魚獲り」/ケックラン「魚獲り」ソプラノとピアノ
プーランク「鯉」/デュレ「鯉」ソプラノとピアノ
ルデレジール「歌う魚」/ディック「魚は跳ねる」フルートソロ
グリニョン「魚の修道院」/サティ「夢みる魚」ピアノ
ヴィエネル「イワシ カワカマス」/コスマ「お気楽な魚」ソプラノとピアノ
ボイド「夏の雨の中の金魚」フルートとピアノ
ほか

石橋美時(フルート)
渡辺有里香(ソプラノ)
川北祥子(ピアノ)

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同日13時から 第2部「金魚坂お別れコンサート」も開催します!

13時開演(12時40分開場) 14時半より懇親会 15時終了
懇親会1ドリンクつき 1,500円 (※午前のご来場者は1000円)

曲目:
ケージ「ア・ルーム」
オッフェンバック「タルト・ア・ラ・クレーム」
バッハ「愛により(マタイ受難曲より)」
バッハ「パルティータ BWV1013」
レスピーギ「最後の陶酔」
バーンスタイン「音楽なんて嫌い」
ボルヌ「カルメン幻想曲」
サティ「あなたが欲しいの」
ほか 予定

出演:
石橋香緒里 石橋美時 江草智子 海出彩菜
川北祥子 柳沢亜紀 渡辺有里香 ほか 予定

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