タンゴトリオ2023-10-05

「ミゲル・デル・アギーラ作品集」の演奏曲目の最後に「タンゴトリオ」を追加しました。

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 この作品はアルゼンチンやウルグアイのタンゴのイディオムを想起させ、特に1910年から40年までの初期のタンゴの新ロマン主義的で感傷的なスタイルを思わせる。音楽表現は強烈、劇的、直接的で、時にメロドラマ的、ユーモラスにもなる。
 「タンゴトリオ」はタンゴへのオマージュとして書かれたが、形式、リズム、スタイルは伝統的なアルゼンチンのダンスにもピアソラの「新しいタンゴ」にも従わず、ブラジルのサンバ、ウルグアイのミロンガやカンドンベなど、より幅広いラテンアメリカのダンスの要素を含んだダンスの抽象化である。ピアノはこのダンスの特徴である鋭いリズムのビートを表すが、時折、乱暴で名人芸的なアルペジオでビートを不明瞭にする。作品全体を通して表れるタンゴのリズムパターンは、何度もテンポを変え、時に高度に置き換えられ変化する。典型的なタンゴのアンサンブルではメロディ素材は弦楽器とバンドネオンに割り振られるが、ここではオーボエとファゴットに割り振られる。

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今回の他の3曲にはストーリー性がある(主人公は男性だったり瓶だったり)のに対し、このトリオは8月に演奏した「セダクションダンス」と同じく、魅力的なリズムそのものを楽しむものかと思います。私にはどこを切ってもまさにタンゴ!に聞こえていたので、タンゴそのものではないというコメントには驚きですが、タンゴの概念を表した曲と言えるのかもしれません。

当初アンコール用に準備していましたが、華やかな3重奏で、曲データやコメントをご紹介したいこともあって、プログラム内で演奏することにしました。したがってアンコールはありません(笑)
(川北)


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今週末の演奏メニュー

2023年10月8日(日) 11時開演(10時40分開場)
於:本郷・金魚坂 / コーヒーまたは中国茶つき 1,500円

cafconc第160回
ミゲル・デル・アギーラ作品集〜作曲家を迎えて
WORKS OF MIGUEL DEL AGUILA
~ welcoming the composer to cafconc

「マランボ」 ファゴット/ピアノ
MALAMBO op.115 (2016/19) bassoon/piano

「ボトルの中の音楽」 ピアノ
MUSIC IN A BOTTLE op.67 (1999) piano

「サマーソング」 オーボエ/ピアノ
SUMMER SONG op.26 (1988/96) oboe/piano

「タンゴトリオ」 オーボエ/ファゴット/ピアノ
TANGO TRIO op.71 (2002/15) oboe/bassoon/piano

荒木良太(オーボエ)  Ryota ARAKI, oboe
江草智子(ファゴット) Satoko EGUSA, bassoon
川北祥子(ピアノ)   Sachiko KAWAKITA, piano

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