チレアの変奏曲2022-08-20

今回特集するイタリア・リコルディ社「新しいスタイルのヴォカリーズ集(1929年)」は、高声用・中声用・低声用の3巻に16人の作曲家による1曲ずつを収録した曲集。最初に演奏するのは16人中最年長のフランチェスコ・チレア(1866-1950)の高声用で、ヴォカリーズならではの、声楽ではレアな変奏曲です(歌詞があると変奏が難しいからか、たとえばアダンの「きらきら星」の変奏曲も、音型が細かくなると歌詞がなくなってヴォカリーズになりますね)。


主題はプーランクの「ヴォカリーズエチュード」(1927年、フランスのヴォカリーズエチュード集に収録)にも似ていますが、チレアがこれを知っていたかどうかは不明。


変奏は3つだけで、学習者向けにちょっと手加減した感もあります(チレアはこの曲に変奏を追加してヴァイオリン用の「テーマと変奏」に編曲しているので、本人も物足りなかったのでは)。第2変奏は声楽的なルバート(テンポの揺れ)が面白くてオススメです。


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来月の演奏メニュー

2022年9月18日(日) 11時開演(10時40分開場)
於:本郷・金魚坂 / コーヒーまたは中国茶つき 1,500円

cafconc第152回
ヴォカリーズ集vol.6〜イタリア編

リコルディ社『新しいスタイルのヴォカリーズ集』より
チレア「テーマと変奏」
ポッツォーリ「ハバネラ風に」
ジョルダーノ「音階の練習/半音の練習」☆
カステルヌオーヴォ=テデスコ「ヴォカリーズエチュード*/
 パンとエコー/船乗りの嘆きのように/フォックストロットのテンポで」
ほか 予定 (*この1曲のみフランス出版)

柳沢亜紀(ソプラノ)
川北祥子(ピアノ)
☆ゲスト:宮本芽衣(ソプラノ)

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