ご来場ありがとうございました2024-03-01

サプライズのハバネラ

暖かい日がやってきたり、そろそろ春かと思いきや寒い一日でしたが、先週は金魚坂最後のカフコンスにご来場くださりありがとうございました。

午後は金魚坂のスタッフさんとしてもお世話になっていた海出さんがコラボ出演で踊ってくださり、演奏会を盛り上げてくださいました。もっと早くこんな風にコラボできたらよかったのに、と思いました。他のスタッフの方々も聴きに来てくださり、外は寒くても暖かく賑やか最後の金魚坂となりました。

店名といい場所の雰囲気といい、カフコンスにぴったりの場所でした。長く使わせていただき本当に感謝いたします。この先もご縁が続いたらいいなぁ、とひそかに思っています。(渡辺)

みんなでジュトゥヴ

お別れコンサートから1週間が経ち、とうとう金魚坂の建物も取り壊しが始まりました。

金魚坂さんの取り壊しの噂を聞いたのは去年の暮れで、その後どんどん閉店が早まり、一時は2月23日もキャンセルになりかけて、無理をお願いしての開催となりましたが、おかげさまで立ち見席まで満員でお別れコンサートを盛大に終えることができました。最後にみなさんと歌ったジュトゥヴが心に残っています。

2011年から78回のカフコンスを開催してきた建物がなくなってしまうのは寂しいですが、喫茶&シガーバーはお隣の一軒家で仮営業されるそうです。そして売却予定だったピアノもそこに置かれることになったという噂が…!?(川北)


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※次回カフコンスは準備中です

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金魚坂お別れコンサート(カフコンス第163回bis)2024-02-23


*曲目

ケージ「ア・ルーム」
ヴォーンウィリアムス「リンデの草地」
ケックラン「紅茶」
バッハ「パルティータ BWV1013」
レスピーギ「最後の陶酔」
バーンスタイン「音楽なんて嫌い」
ボルヌ「カルメン幻想曲」
成田為三「浜辺の歌」
サティ「ジュ・トゥ・ヴ」



*出演

石橋美時(フルート)
江草智子(ファゴット)
海出彩菜(ダンス)
川北祥子(ピアノ)
宮本芽衣(ソプラノ)
柳沢亜紀(ソプラノ)
渡辺有里香(ソプラノ)
特別出演:茨木康晴(バリトン)

魚たちのカフェ(カフコンス第163回)2024-02-23


*曲目

ドビュッシー「金色の魚」
バーナーズ卿「金色の魚」
Claude Debussy (1862-1918)
Poissons d’or (1907)
Lord Berners (1883-1950)
Le poisson d’or (1915)
*ピアノ

アーン「魚獲り」/ケックラン「魚獲り」
プーランク「鯉」/デュレ「鯉」
Reynaldo Hahn (1874-1947)
La pêche (1899頃)
Charles Koechlin (1867-1950)
La pêche (1897)
Francis Poulenc (1899-1963)
La carpe (1919)
Louis Durey (1888-1979)
La carpe (1919)
*ソプラノ・ピアノ

ルデレジール「歌う魚 1」
ディック「魚は跳ねる」
Christian Le Délézir (1958-)
Poissons chantants 1 (2006)
Robert Dick (1950-)
Fish are jumping (1999)
*フルート

グリニョン「魚の修道院」
サティ「夢みる魚」
Ricard Lamote de Grignon (1899-1962)
El convent dels peixos (1940年代)
Eric Satie (1866-1925)
Le poisson rêveur (1900-01)
*ピアノ

ヴィエネル「イワシ」「カワカマス」「ゼラニウム」「ラベンダー」
コスマ「お気楽な魚」
Jean Wiener (1896-1982)
La sardine / La brochet (1954-5)
La geranium / La lavande (1957)
Joseph Kosma (1905-69)
Le poisson sans souci (1967)
*ソプラノ・ピアノ

ボイド「夏の雨の中の金魚」
Anne Boyd (1946-)
Goldfish through summer rain (1979)
*フルート・ピアノ


*出演

石橋美時(フルート)
渡辺有里香(ソプラノ)
川北祥子(ピアノ)


*プログラムコメント

 本日は金魚坂での最後のカフコンスということで、「魚たちのカフェ」と題し、金魚や魚の曲を集めて演奏します。

 「金色の魚」はドビュッシーが持っていた蒔絵の箱に描かれた鯉から着想されました。イギリスの男爵バーナーズ卿の「金色の魚」は孤独な金魚が美しい恋人を思い描く詩を添えてストラヴィンスキーに贈られています。

 アーンとケックランの「魚獲り」は19世紀の、プーランクとデュレの「鯉」は20世紀のフランス歌曲。同じ詩に書かれていても、アーンは波を、ケックランは水しぶきを感じさせます。フランス六人組のプーランクとデュレの競作もお聴き比べください。

 フランスのルデレジールは「歌う魚」という写真展を開いたり、楽譜にも魚の絵を描いています。アメリカのディックはフルートの特殊奏法のテキストの著者でもあり、特殊奏法を駆使した「魚は跳ねる」はタイトルから連想する通りのブルース調です。

 スペインのグリニョンの「魚の修道院」はドビュッシーの「金色の魚」と同じく「映像」という曲集に収められています。サティは「夢みる魚」の作曲中にドビュッシーに相談し、ドビュッシーはのちに「金色の魚」でサティの音型を引用しました。

 ヴィエネルとコスマの5曲は、言葉遊びが楽しいデスノスの詩に書かれた歌曲の中から、魚のタイトルを持つ「イワシ」「カワカマス」「お気楽な魚」と、歌詞に赤い魚が登場する「ゼラニウム」、青い魚が登場する「ラベンダー」を選びました。

 ボイドは日本やインドネシアの音楽に強い影響を受けた作曲家で、「夏の雨の中の金魚」はオーストラリアの作品と思えないほどの純日本風です。金魚坂でのカフコンス最後の曲、雨の日の金魚坂を思い出しながらお聴きいただけたらと思います。


*歌詞大意

「魚獲り」(バンヴィル)

釣り人は網を空けながら
ロワール川の金の魚を見る
ひれは銀色に光り
小姓より立派に着飾っている

太陽とモアレのような流れの
燃えるような反射でまだ染まっている
釣り人は網を空けながら
ロワール川の金の魚を見る

美しい獲物、彼らを讃えよう
彼らは黒々とした大地に光輝く
 (※ケックランでは「打ち上がっている」)
勝利に歓喜して
黄色、緋色、紫
釣り人は網を空ける

「鯉」(アポリネール)

いけすの中で 池の中で
鯉よ、お前たちはなんと長く生きることか!
死はお前たちを忘れてしまったのだろうか
憂いの魚よ

「イワシ」(デスノス)

ロワイヤンのイワシが
ジロンド川で泳いでいた
空は広く 地球は丸い
僕はロワイヤンに泳ぎに行く
イワシと一緒に
ジロンドで
船乗り万歳!
皆様に敬礼!

「カワカマス」(デスノス)

カワカマスが 計画する
見に行くんだ と彼は言った
ガンジス川 ナイル川
テージョ川 テベレ川
それから揚子江へ
行くんだ 暇つぶしに

じゃあ 月は?
月は見に行かないの?
旅するカワカマス
意地悪なカワカマス
幸運なカワカマス

「ゼラニウム」(デスノス)

植木鉢のゼラニウム
金魚鉢の魚
ゼラニウムと金魚
動いたら
ラム酒はおあずけ
ゼラニウムと金魚

「ラベンダー」(デスノス)

洗濯する娘さん!
川を泳ぐ
青い魚を見なかったかい?
その魚は君に持ってきてくれる
青いラベンダーの花束を
青い魚 ラベンダーの花 青い魚

「お気楽な魚」(デスノス)

* お気楽な魚
こんにちは、こんばんは、という
ああ 彼は優しく礼儀正しい
お気楽な魚

彼は四月を恐れない
漁師には残念なことだ
さようなら餌よ、さようなら釣り糸よ
それからバターで焼かれた魚よ

クフランやシュレンヌやシャラントンで
彼が食前酒を飲むとき
カーディフの石炭で燃えているタグボートは
この品の良い酒飲みには気にも止まらない

なぜなら彼は鉛管の中で旅したから
蛇口の水の子守歌で
流し台の石材の上で寝入る前に
なぜなら小瓶の中でも旅したから
人気のない河岸に向かって流された
難破した友人への別れとともに

* お気楽な魚 〜
心配事のないキンセンカ
ソワソンのないポワシー
重さのないソーセージ
心配事のない魚

* お気楽な魚 〜


*ブログ

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