モーツァルトとロイトゲープvol.2(カフコンス第32回)2006-11-19

第14回荻窪音楽祭(主催:「クラシック音楽を楽しむ街・荻窪」の会
後援:杉並区/杉並区教育委員会 21世紀の荻窪を考える会
杉並区文化協会 社団法人荻窪法人会)参加公演


*曲目

ヴェンツェル・シュティヒ(ジョヴァンニ・プント)
「ホルン四重奏曲 ヘ長調」
Wenzel Stich (Giovanni Punto) (1746-1803)
Quartett für Horn, Violine, Viola und violoncello op.2/1
  1.Allegro アレグロ
  2.Andante cantabile アンダンテ・カンタービレ
  3.Rondo Allegro ロンド・アレグロ

ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト
「ホルン五重奏曲 変ホ長調」
Wolfgang Amadeus Mozart (1756-91)
Quintett für Horn, Violine, zwei Violen und violoncello K.407(1782)
  1.Allegro アレグロ
  2.Andante アンダンテ
  3.Rondo Allegro ロンド・アレグロ

(ミヒャエル・ハイドン「ロマンツェ」
※モーツァルトのホルン協奏曲 第3番 2楽章からの改編作)


*出演

大森啓史(ホルン)
小関郁(ヴァイオリン)
冨田大輔(ヴィオラ)
瀧本麻衣子(ヴィオラ)
市寛也(チェロ)


*プログラムコメント

 天才モーツァルトの幅広い交友関係の中から「ホルン奏者」という括りで探ると、2人の名前があがってくる。まずはシュティヒ。通称プントとも呼ばれていた彼はマンハイムを中心に活躍した大変な名手だったそうで、モーツァルトの協奏交響曲(偽作?)のホルンパートや、ホルン協奏曲の断片(未完、ホ長調の作品)は彼のために書かれたものという説がある。その彼が自ら作曲した珍しいホルン四重奏曲は、ホルン奏者としての腕の見せ所をふんだんに盛り込んだ作品。曲作りには拙さも伺えるが、単に独奏楽器をホルンのみとせず、登場する全ての楽器に見せ場を作る配慮(?)も伺えるのは、彼なりのサービス精神の表れかも。
 そして、モーツァルトの大親友であったホルン奏者、ロイトゲープのために作られたのがホルン五重奏曲。これを皮切りに、モーツァルトは彼のために4曲のホルン協奏曲を生み出すことになる。ホルンに要求される技巧は非常に高く、これをこなした彼の腕の良さが伺える。そして、楽器編成にも見て取れるモーツァルトの天才といったら!弦楽器をヴァイオリン、ヴィオラ2、チェロとし、ホルンを含めて中低音の響きを重視したサウンドを生むことに成功している。