暑すぎる...2006-08-01








上野動物園リンリン。
(旧BBSのパンダ写真を移転しました。)

「アメリカ」~異郷の夏(カフコンス第29回)2006-08-06

*曲目

ドヴォルザーク「弦楽四重奏のための糸杉」より
Antonín Dvořák (1841-1904)
Cypřiše B152 (1887)
  4.O naši lásce nekvete to vytouzené stestí
   ああ、私たちの愛に求める幸せは花開かない
  11.Nad krajem vévodi lehký spánek
   地上を静かなまどろみが支配し
  9.Ó duše drahá jedinká
   ああ、かけがえのないいとしい人

同「弦楽四重奏曲 第12番ヘ長調 "アメリカ"」
Smyčcový kvartet "Americký" op.96/B179 (1893)
  1.Allegro ma non troppo
  2.Lento
  3.Molto vivace
  4.Finale, Vivace ma non troppo

(同「ユーモレスク op.101-7」)


*出演

道橋倫子(ヴァイオリン)
漆原直美(ヴァイオリン)
冨田大輔(ヴィオラ)
藤井泉(チェロ)


*プログラムコメント

 チェコ国民音楽を代表する作曲家ドヴォルザークは、1893年、赴任先のニューヨークで交響曲「新世界より」を完成させると、家族全員を呼び寄せ、アメリカでの最初の夏をアイオワ州のチェコ移民の村スピルヴィルで過ごした。ドヴォルザークがこの休暇の初めにわずか半月で書き上げ、自ら友人家族と演奏して楽しんだという弦楽四重奏曲第12番は、自筆譜の表紙に「アメリカでの作曲第2号」と書かれていたことから「アメリカ」の通称で呼ばれ、充実感、幸福感に溢れた円熟期の傑作として親しまれる人気作である。
 「糸杉」の原曲は24歳のドヴォルザークが初恋に破れて作曲した歌曲集で、苦悩の詩が美しい旋律で歌われている。無名時代、気に入らない作品は燃やした(時にはお菓子を焼くために)というドヴォルザークだが、「糸杉」は後に改編、弦楽四重奏にも編曲したほか、オペラや協奏曲にも旋律を引用し、実らなかった初恋から多くの作品が生み出されることとなった。