カントルーブとオーヴェルニュの歌~カントルーブ没後50年記念(カフコンス第44回)2007-11-25

協賛:キリンMCダノンウォーターズ株式会社


*曲目

カントルーブ:
Joseph Canteloube (1879-1957)

ヴァイオリンソナタ「山にて」より
Dans la montagne pour violon et piano (1904/33)
  1.En plein vent 風の中で
(ヴァイオリン・ピアノ)

「オーヴェルニュの歌 第5集」
Chants d'Auvergne 5e série (1953)
  1.Obal, din lo coumbèlo 遠く、あの谷間に
  2.Quand z'eyro petitoune 私は小さかったころ
  3.Lá-haut, sur le rocher 向こうの岩の上で
(ソプラノ・ピアノ)

トリオダンシュのための「田舎風に」より
Rustiques pour trio d'anches (1946)
  2.Rêverie もの思い
(オーボエ・クラリネット・ファゴット)

「オーヴェルニュの歌 第5集」
  5.Postouro, sé tu m'aymo
   羊飼いの娘よ、もしお前が僕を好きなら
  6.Tè, l'co, tè! 行け! 犬よ、行け!
  7.Uno jionto postouro かわいい羊飼いの娘が
  8.Lou diziou bé みんなが言ってた
(ソプラノ・ピアノ)

ホルンのための「踊り」
Danse pour cor et piano (1953)
(ホルン・ピアノ)

「オーヴェルニュの歌 第5集」
  4.Hé! Beyla-z-y dau fé! おい、ロバに干し草をやりな
(全員)

(「おい、ロバに干し草をやりな」
無伴奏農民バージョン~演奏会バージョン)


*出演

島﨑祐子(ヴァイオリン)
日高慧(オーボエ)
渡邊一毅(クラリネット)
徳丸真理(ファゴット)
大森啓史(ホルン)
渡辺有里香(ソプラノ)
川北祥子(ピアノ)


*プログラムコメント

 本日はカントルーブが故郷の民謡に伴奏付けした「オーヴェルニュの歌」全曲演奏の最終回ということで、演奏機会の少ないカントルーブの器楽作品も並べてみました。
 習作「山にて」(全4楽章)は民謡を取り入れて循環形式で書かれ、ダンディやフランクへの傾倒がうかがえます。「田舎風に」(全3楽章)はこの時代に発展した編成である木管三重奏のために、ミヨーやイベールらと並び第一線の作曲家として委嘱を受けた作品。晩年の簡潔な小品「踊り」には民謡「みんなが言ってた」が引用されています。
 「オーヴェルニュの歌」のオーケストレーションにも共通する各楽器の魅力的な扱いと、民謡収集家としてではないカントルーブの一面もお楽しみいただければ幸いです。


*歌詞大意

「オーヴェルニュの歌 第5集」

1.遠く、あの谷間に

遠くあの谷間に
トロ・ロ・ロ・ロ・ロ・ロ・レ・ロ・ロ
トマトの木が一本

公爵様の三人の娘たちが
トロ・ロ・ロ・ロ・ロ・ロ・レ・ロ・ロ
その木の下にいる

二人は歌い笑う
トロ・ロ・ロ・ロ・ロ・ロ・レ・ロ・ロ
けれども一人はいつも泣いている

2.私は小さかったころ

私は小さかったころ
すみれに囲まれたいとしい娘
私は小さかったころ
ナネートゥと呼ばれていたんだよ

私は家畜の番をしていた
すみれに囲まれたいとしい娘
家畜の番をしていた
茂みの陰で

そこには小さな花々が咲いていたよ
すみれに囲まれたいとしい娘
小さな花々が咲いていたよ
そしてその下で眠り込んだのさ

すると三人の騎士がやってきた
すみれに囲まれたいとしい娘
三人の騎士がやってきた
そして私に言った、「美しい人、こんにちは!」

「あっちへ行って、近寄らないで!」
すみれに囲まれたいとしい娘
「あっちへ行って、近寄らないで!
 私の愛はあんたたちのものではないのよ!」と言ったのさ

3.向こうの岩の上で

向こうの岩の上で
向こうの山の上で
かわいらしい羊飼いの娘が白い羊の番をしていた
芝にすわって

若い男が通りかかった
それは兵士
軍隊から戻ってきた兵士だった
彼は結婚したがっていた

彼女を見るとすぐに
そばに腰を下ろし
そして話しかけた
「結婚してるの?」

「結婚しているわ
 でも思っていたとおりではないの
 相手は年寄りで嫉妬深くて
 愛していないのよ」

「じゃあ、そいつを来させよう!
 僕が君を守ってやろう
 ポケットにはピストルもあるし、弾丸の入った銃もある
 よし、そいつを来させよう!」

5.羊飼いの娘よ、もしお前が僕を好きなら

羊飼いの娘よ、もしお前が僕を好きなら
僕の悩みを減らしておくれ!
そしたらお前に服とすてきなエプロンをあげよう
他の羊飼いの娘たちはそんなにすてきなのを持ってないだろう!
ティ・ウリ・ウリ・ウリ・ウリ・ウリ・ウラ・ラ…

羊飼いの娘よ、もしお前が僕を好きなら
僕の悩みを減らしておくれ!
そしたら咲いたばかりの花でできた首飾りをあげよう
他の羊飼いの娘たちはそんなにすてきなのを持ってないだろう!
ティ・ウリ・ウリ・ウリ・ウリ・ウリ・ウラ・ラ…

カササギの鳴き声がきこえる
「かわいい人よ、目を覚ましなさい!」
カササギなんて放っておけ、ヒナたちと一緒に!
それで僕らは二人の約束を守ろうよ
二人きりで愛し合う約束を!
ティ・ウリ・ウリ・ウリ・ウリ・ウリ・ウラ・ラ…

6.行け!犬よ、行け!

行け!犬よ、行け!
雌牛を止めろ!
逃げるのが見えるだろ?おい!
おい、急げ急げ早く行け!行け!
朱いのを連れ戻せ!行け!
プルルルル!
よくやった!もういいぞ!
戻って来い、戻って来い、戻って来い!

7.かわいい羊飼いの娘が

かわいい羊飼いの娘が
ある朝
草に座って
恋人を思って泣いていた

「もう彼が
 戻ってくる時間なのに!
 誰か別の羊飼いの娘に
 心変わりしてるのでしょう!

 ああ、かわいそうな羊飼いの娘
 私は見捨てられたのね
 相手を失った
 キジバトみたいに!」

8.みんなが言ってた

みんなが言ってた
ピエルー、あんたが女の子が好きだって
みんなが言ってた
ピエルー、あんたがワインが好きだって!
どっちも好きだよ
ワインもそれに女の子だって
でも選ぶんなら
ワインを選ぶよ!

もし愛が
灰の上に築かれるなら
その土台は
風まかせ
もし風が吹いたら
灰を吹き飛ばしてしまう
そして私はいつも
苦しみの中!

あんたは奪ってしまった
ピエルー、私の心を
あんたは奪ってしまった
あんたのものではなかったのに!
もしまたこれを
繰り返したら
私のナイフで
あんたの皮をはいでやる!

4.おい、ロバに干し草をやりな

おい、かわいそうなロバに干し草をやりな!
おい、干し草をやりな、きっとたんと食べるだろう!
かわいそうに、働くにはたんと食べなくちゃ、生きるためにも!

恋人がやって来るはずなのに見ていない
粉引き小屋に来るはずなのを見ていない
しっかりしろ、かわいそうな若者よ!他の娘っ子と踊ろうぜ!

彼女は足を踏み鳴らす、山娘だ!
石畳の上で足を踏み鳴らす!
我慢しろ、かわいそうな若者よ、若い娘はもっともだよ!


*「第16回荻窪音楽祭」にてカントルーブ作品を演奏しました。
2007年11月17日 於:杉並公会堂小ホール

曲目:
カントルーブ「山にて」より vn&pf
  第1楽章「風の中で」
同「オーヴェルニュの歌」より sop&pf
  私は小さかったころ(5集)
  チュチュ(4集)
  あちらのリムーザンに(1集)+vn

出演:
島﨑祐子(ヴァイオリン)
渡辺有里香(ソプラノ)
川北祥子(ピアノ)

コメント

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

※投稿には管理者が設定した質問に答える必要があります。

名前:
メールアドレス:
URL:
次の質問に答えてください:
このブログのタイトルにもなっているカフェコンサートの名前は?(カタカナ5文字でお答えください。)

コメント:

トラックバック

このエントリのトラックバックURL: http://cafconc.asablo.jp/blog/2007/11/25/5684951/tb

※なお、送られたトラックバックはブログの管理者が確認するまで公開されません。