ヴォカリーズ集vol.7〜イタリア編2(カフコンス第156回)2023-05-28


*曲目

<柳沢>
ラフマニノフ「ヴォカリーズ」※生誕150年
Sergei Rachmaninoff (1873-1943)
Vocalise op.34-14 (1915)
ポッツォーリ「ヴォカリーズ」低声用 ※生誕150年
Ettore Pozzoli (1873-1957)
Vocalizzo
マリピエロ「ヴォカリーズ」高声用 ※没後50年
Gian Francesco Malipiero (1882-1973)
Vocalizzo

<宮本>
トスティ「50の練習曲集」より 第16番
Francesco Paolo Tosti (1846-1916)
Solfeggio no.16
チレア「ヴォカリーズ」中声用
Francesco Cilea (1866-1950)
Vocalizzo
ザンドナイ「ヴォカリーズ」高声用
Riccardo Zandonai (1883-1944)
Vocalizzo

<柳沢>
ヴィッタディーニ「ヴォカリーズ」高声用
Franco Vittadini (1884-1948)
Vocalizzo
ペドロッロ「ヴォカリーズ」中声用
Arrigo Pedrollo (1878-1964)
Vocalizzo
マリヌッツィ「ヴォカリーズ」高声用
Gino Marinuzzi (1882-1945)
Vocalizzo

(ロッシーニ「猫の二重唱」)

※ラフマニノフとトスティを除く7曲は
イタリア・リコルディ社「新しいスタイルのヴォカリーズ集」より
Vocalizzi nello stile moderno (1929)


*出演

柳沢亜紀(ソプラノ)
宮本芽衣(ソプラノ)
川北祥子(ピアノ)


*プログラムコメント

「新しいスタイルのヴォカリーズ集」について

 ヴォカリーズとは歌詞なしで母音で歌うことや母音で歌う発声練習を指し、ラフマニノフの「ヴォカリーズ」やラヴェルの「ハバネラ形式のヴォカリーズ練習曲」がまず思い浮かびます。前者は歌詞のない歌曲として書かれたもので、後者はフランスで編纂された「ヴォカリーズ練習曲の新しいレパートリー」の1曲です。この曲集はパリ音楽院声楽科の教授Hettich氏が様々な作曲家に委嘱したコレクションで、約30年の間に150曲以上が作曲されました。

 そのイタリア版と呼べるのが、前回に続き特集する「新しいスタイルのヴォカリーズ集」です。詳しい経緯は不明ですが、16人の作曲家がそれぞれ高声用・中声用・低声用を1曲ずつ作曲し、全48曲が1929年にリコルディ社から出版されました。あまり名前を聞かない人も含まれますが、当時のオペラ界で作曲家、指揮者として活躍していた方々のようです。中心となったのは年長のチレアやジョルダーノ、ピアニスト・教育者で教則本も書いたポッツォーリあたりでしょうか。

 フランス版にも共通しますが、教材としての使用を想定しながら難易度や音域等はまちまちで、作曲上の制約は特になかったと想像でき、また歌詞のないヴォカリーズの自由度も各人の個性発揮につながって、バラエティに富んだ曲集となっているように思います。

 偶然ですが、前回は題名(または副題)のついた曲、今回はつかない曲ばかりになりました。題名も歌詞もない歌、「ア」だけの声の世界を存分にお楽しみください。<川北>

アンケート・宮本芽衣 編
アンケート・柳沢亜紀 編
「新しいスタイルのヴォカリーズ集」作曲家リスト


*ブログ

2023-06-01 ご来場ありがとうございました
2023-05-28 ヴォカリーズ集vol.7〜イタリア編2(カフコンス第156回)
2023-05-27 明日開催です!(アンコール予告)
2023-05-26 ヴォカリーズアンケート(2)
2023-05-25 ヴォカリーズアンケート(1)
2023-05-20 イタリア編+ラフマニノフ
2023-05-08 リコルディのヴォカリーズ集
2023-04-26 ヴォカリーズ・イタリア編その2
2023-04-10 営業グラフ?