ヴォカリーズアンケート(1)2023-05-25

今週末のカフコンス「ヴォカリーズ集vol.7〜イタリア編2」の歌手2人にヴォカリーズについて聞いてみました。まずは柳沢亜紀編です。

◆ヴォカリーズについて

 ヴォカリーズといえばラフマニノフがまず浮かびますね。様々な楽器で演奏されますが、やっぱり歌が素敵です。憧れの曲であり、難曲でもあります。
 ラフマニノフは、どうして歌詞がないのかと尋ねた歌手に「あなたは言葉がなくてもそれ以上のものを表現できる」と返したそうです。裏を返せば、歌詞がついていることに甘んじてはいけない、ただ言葉をその通り発すれば良いのではなく、その奥の思いが大切である、という、自分の声だけに意識が偏りがちな歌手に対しての戒めとも受け取れます。

◆ヴォカリーズの面白さは?

 曲の情景や感情、物語を自由にイメージできることです。皆様も自由に想像しながらお楽しみください!

◆「新しいスタイルのヴォカリーズ集」、
 どこが「新しい」と思いますか?

 19世紀までのヴォカリーズ、特にコンコーネ等は、オペラなどを歌うのに必要なテクニックを習得するための教本で、学習者はまずメロディを母音だけで歌うことから始め、次に歌詞をつけていきます。
 この曲集は逆に、高度な表現を1つだけの母音に落とし込まなければならない点が難しいと思います。
 もちろん20世紀の近代的な音楽であり、発想も自由で斬新です。これまでに歌ったことのない音型や体験したことのない雰囲気を感じます。

◆選曲について

 今年が生誕150年にあたる憧れのラフマニノフと、全48曲の中から厳選した個性的な5曲です。皆様のお気に入りを見つけていただければ嬉しいです。

◆特におすすめの曲は?

 マリピエロとヴィッタディーニです。マリピエロはエキゾチックで美しい和音の変化が聞きどころです。ヴィッタディーニでは華やかなワルツの旋律に次いでオクターヴを超えるグリッサンドが連続して歌われます。オペラアリアによく出てくるポルタメントとも違う歌い方を試してみたいと思います。

◆今回「ア」しか歌わないことについて

 ヴォカリーズでは言葉の力を借りることができませんが、「ア」だけで話す国に来たと思って精一杯表現します!


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今週末の演奏メニュー

2023年5月28日(日) 11時開演(10時40分開場)
於:本郷・金魚坂 / コーヒーまたは中国茶つき 1,500円

cafconc第156回
ヴォカリーズ集vol.7〜イタリア編2

ラフマニノフ(生誕150年)「ヴォカリーズ」
ポッツォーリ(生誕150年)「ヴォカリーズ(低声用)」
マリピエロ(没後50年)「ヴォカリーズ(高声用)」
*柳沢

トスティ「練習曲 第16番」
チレア「ヴォカリーズ(中声用)」
ザンドナイ「ヴォカリーズ(高声用)」
*宮本

ヴィッタディーニ「ヴォカリーズ(高声用)」
ペドロッロ「ヴォカリーズ(中声用)」
マリヌッツィ「ヴォカリーズ(高声用)」
*柳沢

(ラフマニノフとトスティを除く7曲は
リコルディ社『新しいスタイルのヴォカリーズ集』より)

柳沢亜紀(ソプラノ)
宮本芽衣(ソプラノ)
川北祥子(ピアノ)

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