モーツァルトとシュタードラーvol.10(カフコンス第155回) ― 2023-02-05
*曲目
フレジエ「三重奏曲」
Ange Flégier (1846-1927)
Trio (1896)
1.Allegro agitato
2.Andante
3.Intermezzo, Allegretto scherzando
4.Finale, Allegro scherzando
ベートーヴェン「3つの二重奏曲」より 第1番
Ludwig van Beethoven (1770-1827)
Duo für Klarinette und Fagott WoO.27-1 (1790-92)
1.Allegro commodo
2.Larghetto sostenuto
3.Rondo, Allegretto
シックリー「三重奏の為の舞曲」より
Peter Schickele (1935-)
Dances for three for two clarinets and bassoon (1980)
2.Minuet, Moderately fast, perky
5.Gigue, Sprightly
モーツァルト「6つのディヴェルティメント」より 第2番
Wolfgang Amadeus Mozart (1756-91)
Divertimento K.Anh.229/439b-2 (1783-8)
1.Allegro
2.Menuetto
3.Larghetto
4.Menuetto
5.Rondo, Allegro
(モーツァルト「トルコ行進曲」)
*出演
大橋裕子(クラリネット)
飯田真弓(クラリネット)
吉田早織(ファゴット)
*プログラムコメント
「モーツァルトとシュタードラー」記念すべき10回目となりました。モーツァルトのクラリネット作品の多くが、A.シュタードラーのために作曲されているということから名付けたこのシリーズです。本日は前回に引き続き同じ三人で3曲のトリオとクラリネットとファゴットの為のデュオを演奏いたします。木管楽器のアンサンブルをお愉しみください。
フランス南部の港湾都市マルセイユに生まれたフレジエは、1860年にマルセイユ音楽院へ入学後にベルリオーズの目に留まりその後パリ音楽院で学びます。パリでは同年代の若者たちと共同生活を送り積極的に作曲活動を行っていたようです。350曲以上ある作品は歌曲を中心に当時は高い評価を受けていたよう。音楽評論家としても活動していました。81歳マルセイユにて死去。
2020年に生誕250周年を迎えたベートーヴェン、モーツァルトの14歳年下です。クラリネットとファゴットの為の二重奏曲1〜3番は1792年22歳の頃に作曲されたと言われていますが確実な記録がなく断片を使って作った偽作という話もあります。1787年にベートーヴェンは憧れのモーツァルトのいるウィーンを訪ねましたがその頃のモーツァルトはドン・ジョヴァンニの作曲による多忙と毎日のように訪ねてくる弟子志望者に紛れて二人はまともには会えなかったようです。そして1792年はベートーヴェンがハイドンに弟子入りした年。その辺りの作曲家の影響も垣間見れる作品ではあると思います。
冗談音楽家とも言われコミカルな曲やパロディを作曲していることでも知られているP.D.Q.バッハ(1742−1807)(作曲する際に用いた偽名)ことピーター・シックリー。現在87歳アメリカの作曲家です。本日この後に演奏するモーツァルト作曲の2本のクラリネットとファゴットによるディヴェルティメントを聴き、この楽器の組み合わせについて考え始めたようです。彼はモーツァルトとシューベルトはお気に入りの作曲家だと述べていてその理由が繰り返し聴いても飽きる事がなく魅力を失うことがない、ベートーヴェンのようにどこか真面目に戻ろうとするのではなく、常に明快さと楽しさがあるように感じるからだと書いています。
皆書いているから書きますが、シックリくる演奏になりますよう。。。。
ディヴェルティメントは嬉遊曲とも訳されるように娯楽的な目的のために書かれた器楽合奏曲で編成も特に決まってはおらず今日も様々な楽器で演奏されています。演奏者三人のうちの二人を当時のクラリネット・バセットホルンの名手、A.シュタードラー兄弟が担当していたとされています。
*ブログ
2023-02-06 ご来場ありがとうございました
2023-02-05 モーツァルトとシュタードラーvol.10(カフコンス第155回)
2023-02-04 明日開催です!
2023-02-03 フレジエ
2023-01-30 vol.10
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