カステルヌォーヴォ=テデスコの性格的小品2022-09-14

ヴォカリーズとは母音で歌うことや母音で歌う発声練習も指し、ラフマニノフについで有名なラヴェルの「ハバネラ形式のヴォカリーズ」はフランスの「ヴォカリーズエチュード集」の1曲として書かれました。この曲集のイタリア版といえるのがリコルディ社の「新しいスタイルのヴォカリーズ集」で、今回取り上げるマリオ・カステルヌォーヴォ=テデスコ(1895-1968)の4曲は、vol.5でも演奏したフランス版ヴォカリーズエチュードと、イタリア版3曲です。

イタリア版にはそれぞれ発想標語に加えて、イメージが膨らむような引用も書き添えられています。

高声用「アンダンテ、牧歌風に」
⟪パンとエコー⟫
(声が表すパンの笛をエコー役のピアノが模倣します)

低声用「とても静かに憂鬱に、船乗りの弔歌のように」
⟪港を出ていくのは大きな帆の外国船⟫
メーテルランク - ペレアスとメリザンド

中声用「フォックストロットのテンポで、風刺的に鋭く」
⟪ああ、アメリカの音楽!⟫ by マイヨール
(1900年代初めのカフェコンセールの人気歌手)

(なお、大御所チレアとジョルダーノが懐古的だったり練習曲に徹したりしていることもあって、上の世代は古いと感じられてしまうかもしれませんが、チレアはこの曲集とは別の近代的な「演奏会用ヴォカリーズ」も作曲しているので、そちらも次回演奏できたらと思います!)


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今週末の演奏メニュー

2022年9月18日(日) 11時開演(10時40分開場)
於:本郷・金魚坂 / コーヒーまたは中国茶つき 1,500円

cafconc第152回
ヴォカリーズ集vol.6〜イタリア編

リコルディ社『新しいスタイルのヴォカリーズ集』より
チレア「テーマと変奏」
ポッツォーリ「ハバネラ風に」
ジョルダーノ「半音の練習/音階の練習」☆
カステルヌオーヴォ=テデスコ「9月の空」(ピアノ曲)
「ヴォカリーズエチュード」(この1曲のみフランス出版)
「パンとエコー/船乗りの弔歌のように/フォックストロットのテンポで」
予定

柳沢亜紀(ソプラノ)
川北祥子(ピアノ)
☆ゲスト:宮本芽衣(ソプラノ)

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