アルバムリーフ2021-11-03

サンサーンスは1921年5〜6月頃に「ファゴットソナタ op.168」を作曲した後、8月には(デビュー75年にもあたる)最後のピアノの演奏会を開き、冬を過ごすために訪れたアルジェで12月16日に肺炎で亡くなり、亡骸は船と鉄道でパリへ運ばれて国葬されました。

その間に作品番号のついた作品はピアノの小品「Feuillet d’album(アルバムリーフ)op.169」のみです。アルバムリーフとは、出版物でなく紙のまま挟んで贈呈される自筆のサインなどの一葉を指し、この曲もエドモン・ドゥ・ロスチャイルド男爵夫人に献呈されました。易しく書かれた中になぜか増3和音による半音階が2回登場するのは、夫人との何らかのエピソードがあったのではないかと想像されます。

写真はIMSLPで公開されていた自筆譜の最後のページ。とても綺麗で、ヘ音記号がかわいいです。


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今週末の演奏メニュー

2021年11月7日(日) 11時開演(10時40分開場)
於:本郷・金魚坂 / コーヒーまたは中国茶つき 1,500円

cafconc第147回
サンサーンス没後100年に寄せて

サンサーンス「クラリネットソナタ op.167」
同「ファゴットソナタ op.168」
同「アルバムのページ op.169」(ピアノ曲)

大橋裕子(クラリネット)
江草智子(ファゴット)
川北祥子(ピアノ)

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