7月の曲「ヴァカンス」2017-07-01

6月の曲「雨が降る」の似合う日が続きますが、暦の上では夏真っ盛り、ということで今月の曲は「ヴァカンス」です! なお曲名は正しくは「Vacances」ですが、カレンダー現物ではタイプミスで単数形にしてしまいました... 複数形のお休みなんてなかなか取れない日本人なもので申し訳ありません...


ダマーズ「ヴァカンス」
江草智子(ファゴット) 川北祥子(ピアノ)
2017年6月29日録音

Jean-Michel Damase (1928-2013)
Vacances (1990)

Satoko EGUSA, bassoon
Sachiko KAWAKITA, piano


<カレンダープロジェクト・バックナンバー>
6月の曲「雨が降る」
5月の曲「風の中で」
4月の曲「桜の木」
3月の曲「ほほえむ春の優しい花よ」
2月の曲「トリプル・モカ・インダルジェンス」
1月の曲「スケーテイング・スマイリング」
カレンダープロジェクト始動!

試験課題曲2017-07-07

今週末のカフコンスは「デュオのひととき~クラリネットとピアノによる近代フランス音楽」。最初に演奏するのはハンガリー系フランス人のオルガン奏者・作曲家ヴィドール(1844-1937)がパリ音楽院の試験曲として作曲した「序奏とロンド(1898)」です。

よく目にするこの「パリ音楽院の試験曲」とは、1893年にフルート科の教授になったタファネルが、試験に既存曲でなく新曲を用いるようになったのが始まりとされ、クラリネット科では1897年のMarty「Première Fantaisie」から委嘱作を採用、ヴィドールは2年目にあたるようです。後のドビュッシーの「第1狂詩曲(1910)」も試験用に書かれたもので、各楽器の試験曲や初見用試験曲の多くが近代フランス小品の重要なレパートリーとなっています。

個人主義とされるフランス人も、このような作品群やヴォカリーズエチュード、企画曲集やらでは結束が固く見えますが、作品が群を成しているだけで、協調しているわけではないのでしょうね...


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今週末の演奏メニュー

2017年7月9日(日) 11時開演(10時40分開場)
於:本郷・金魚坂 / コーヒーまたは中国茶つき 1,500円

cafconc第127回
デュオのひととき~クラリネットとピアノによる近代フランス音楽

ヴィドール「序奏とロンド」
ラヴェル「ハイドンの名によるメヌエット/
     ボロディン風/シャブリエ風」 *ピアノソロ
プーランク「クラリネットソナタ」

相良麻衣子(クラリネット)
池山恵未(ピアノ)

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プーランクのソナタ2017-07-08

明日のカフコンス「デュオのひととき~クラリネットとピアノによる近代フランス音楽」のメインは、プーランク(1899-1963)の「クラリネットソナタ(1962)」です。

「僕の血には木管楽器が入っている」と語り、かねてから木管楽器のソナタ群を構想していたプーランクは、1957年にはフルートソナタを完成、ファゴットソナタにも着手していましたが、59年に巡礼に赴いたロカマドゥールの聖堂にて、6人組の盟友オネゲル(1892-1955)へ捧げるクラリネットソナタを書こうと思い立ち、同年の「Gloria」と共通のモティーフによる第2楽章を作曲、その後、未完のファゴットソナタのスケッチも用いて、62年に全3楽章のクラリネットソナタが完成しました(ちなみに同年オーボエソナタも完成し、再びファゴットソナタに取りかかるつもりもあったようです)。翌63年には自らアメリカ初演をベニー・グッドマンと行う予定でしたが、プーランクの急逝により公演はメモリアルコンサートとなり、ピアノパートはレナード・バーンスタインが演奏しました。

プーランクはオネゲルについて「彼は私の曲を軽すぎると言い、私は彼の曲を重すぎると考えていた」が「(オネゲルの晩年の3年間には)本当に理解し合い、あらゆる事を語り合った」と回想し、オネゲルから送られた「私たちは極端に性格が違うが、距離は遠いどころか近い、さまざまな違いがある事こそが人生でも芸術でも一番楽しい」という死の前年の手紙を大切にしていたといわれます。


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明日の演奏メニュー

2017年7月9日(日) 11時開演(10時40分開場)
於:本郷・金魚坂 / コーヒーまたは中国茶つき 1,500円

cafconc第127回
デュオのひととき~クラリネットとピアノによる近代フランス音楽

ヴィドール「序奏とロンド」
ラヴェル「ハイドンの名によるメヌエット/
     ボロディン風/シャブリエ風」 *ピアノソロ
プーランク「クラリネットソナタ」

相良麻衣子(クラリネット)
池山恵未(ピアノ)

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