セファルディの愛の歌 ― 2022-04-28
セファルディやヘブライなどのタイトルを見ると、どうしても宗教的な内容を想像しがちですが、「セファルディの歌」で神に祈るのは、夜に恋人の部屋に忍び込もうとする男性が「どうか彼女の母親がぐっすり寝ていますように」という祈りだったりして、そう思うと異国の不思議な旋律も急に妖しいロマンティックな歌に感じられます。
伴奏は、カントルーブが周りの雰囲気を表すのに対して、こちらは伴奏型に徹しています。一番ごとに変化しますが、情景が変わるというより音型が細かくなっていく感じです。ハープの為に書かれているので、弾き語り(竪琴?民族楽器?)風にも思えます。
ところで、歌曲は歌手の声に合わせて移調する(高さを変える)ことがあり、普通は(今回のラヴェルも)元の楽譜を見て演奏できるのですが、「セファルディの歌」は移調譜を作成しました。偶然にも4年前のカステルヌオーヴォテデスコの「ヘブライの歌」以来です。「ヘブライの歌」や今回の3曲目の部分的に半音ズレるような独特の節回しは脳内移調の妨げになる気がします。でも覚えてしまえば頭から離れないキャッチーな歌なので、意外に口承もいけるかもしれません。(川北)
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*来月の演奏メニュー
2022年5月22日(日) 11時開演(10時40分開場)
於:本郷・金魚坂 / コーヒーまたは中国茶つき 1,500円
cafconc第149回
民謡紀行〜バスクからスペインへ
ラヴェル「スペインの歌」
カントルーブ「バスク地方の歌(全5曲)」
トゥリーナ「ゲルニカの木」(ピアノソロ)
カステルヌオーヴォ=テデスコ「3つのセファルディの歌」
オブラドルス「スペインの古い歌」より
Trova / Al amor / Oh, que buen amor /
La guitarra sin prima / El tumba y lé
渡辺有里香(ソプラノ)
川北祥子(ピアノ)
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コメント
_ 青木勇人 ― 2022-05-23 19:41
_ 川北 ― 2022-05-24 08:26
その後、スペインから離散する前の幸せな時代の歌だ、という解釈も聞いて、なるほどと思いました。
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