マリオ・カステルヌオーヴォ=テデスコ2020-06-26

ここまでの3人が「クラシック作品も手がけていた映画音楽の大御所たち」なら、カステルヌオーヴォテデスコ(1895-1968)は「多くの映画音楽も手がけたクラシックの作曲家」。作品数はクラシックも映画音楽も200以上とされます(映画音楽は音楽ライブラリー用ストックミュージックを含む)。

カフコンスで演奏した曲で辿ると、初期の「子守歌(1914,21)」はピツェッテイに師事していた頃の近代イタリア歌曲、パリ音楽院企画に参加した「ヴォカリーズ(1928)」はカゼッラにより諸外国へ紹介された時期の作で、反ユダヤ主義が高まる中で自らのルーツも表現しています。39年にアメリカへ逃れるとハリウッドで映画音楽を手がけ、門下からはヘンリー・マンシーニ、ジェリー・ゴールドスミス、ジョン・ウィリアムズら著名な映画音楽作曲家を輩出、「タンゴ(1953)」も弟子アンドレ・プレヴィンへ贈った作品でした。

ファゴットとピアノのための「ソナチネ(1946)」はハリウッド時代の作。本人は映画音楽からの自作への影響を否定していたそうですが(そもそも映画界側がフルオーケストラやライトモティーフを扱えるクラシック作曲家を求めていた)、少ないモティーフを巧みに展開させる手法は映画音楽でさらに研ぎ澄まされたと言えるかもしれません。

江草:テデスコが音楽を書いた「そして誰もいなくなった」(1945年)は、登場人物達が船に乗って島に向かう場面から始まりますが、後ろに流れる木管楽器同士の絡みが、本当に船酔いしてくるような不安をあおる感じで、でもおどけてもいるという…。人が殺されていく映画なので、緊迫しているかと思ったら、役者さんたちに余裕があって、顔芸や皮肉のきいたセリフで楽しませてくれます。1946年作曲のソナチネもそんな独特な味わいがあるかもしれません。

川北:今回は多作な人ばかりな気がします。速筆多作でないと映画音楽作曲家は務まらないのでしょうか。「そして誰もいなくなった」にはMusical Directorという肩書でチャールズ・プレヴィン(アンドレ・プレヴィンの親戚)の名前もありました!


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今週末の演奏メニュー

2020年6月28日(日) 11時開演(10時40分開場)
於:本郷・金魚坂 / コーヒーまたは中国茶つき 1,500円

cafconc第144回
デュオのひととき〜composers offscreen

ニーノ・ロータ「トッカータ」
ジョン・ウィリアムズ「5つの聖なる木」より「Dathi」
エンニオ・モリコーネ「四つのスタディ」より 第1曲(ピアノソロ)
マリオ・カステルヌオーヴォ=テデスコ「ソナチネ」(全3楽章)

江草智子(ファゴット)
川北祥子(ピアノ)

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