初夏に聴きたいコープランドとマルティヌー2019-07-12

今週末のカフコンス「デュオのひととき〜初夏のクラリネット」後半は、「初夏に聴きたい」というイメージで選んだ2曲、コープランドの「ノクターン」とマルティヌーの「ソナチネ」です。

アメリカの作曲家コープランド(1900-90)は分かり易い大衆的な作品も有名ですが、パリ留学から帰国した翌年の「ピアノ協奏曲(1926)」などエッジの効いた最初期作品群では「enfant terrible(恐るべき子供)」とも揶揄されていました。ピアノ協奏曲の縮小版とも言える「2つの小品(1926)」の第1曲「ノクターン」は、ミヨーとはまた違った美しい複調(複数の調性を同時に存在させる)や、ジャジーな雰囲気が魅力的です。

チェコ出身のマルティヌー(1890-1959)もパリで学び、フランスやアメリカなど主に海外で活躍した作曲家です。印象派、現代、新古典、ジャズなど時代の様々な要素を取り入れ、民族主義の傾向も持ちながら傾きすぎない独特なバランスで、400曲以上の多彩な作品を残しました。「ソナチネ(1956)」は、そんなマルティヌーの世界が約11分のコンパクトな3楽章の中に凝縮された、まさに「完成したマルティヌー・ブレンド」と呼ぶべき晩年の傑作です。

天気予報はやはり雨ですが、初夏のカフコンスに是非ご来場ください!


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今週末の演奏メニュー

2019年7月14日(日) 11時開演(10時40分開場)
於:本郷・金魚坂 / コーヒーまたは中国茶つき 1,500円

cafconc第139回
デュオのひととき〜初夏のクラリネット

リード「ヴィクトリアン・キッチン・ガーデン」
コープランド「ノクターン」
マルティヌー「ソナチネ」

大橋裕子(クラリネット)
川北祥子(ピアノ)

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