ベッリーニとロッシーニのコンチェルト2018-05-23

今週末のカフコンスで演奏する3曲は、いずれも19世紀イタリアで書かれた、管楽器のための協奏曲と小協奏曲。ヴァイオリン奏者パガニーニによる管楽器作品もレアなのですが、オペラ作曲家のベッリーニとロッシーニは学生時代の習作と引退後の作、というこれまたレアものです。

ベッリーニ(1801−35)のコンチェルト(1823)の自筆譜には「音楽院学生ベッリーニ、1823」と書かれており、ナポリの王立音楽院に残されていたベッリーニの習作を1941年にチレアがいくつかまとめて出版した際に世に出ました。その中で一番人気を得たのが、この協奏曲。曲はオーケストラによる短い導入部Allegro、ゆったりと美しいLarghetto、当時流行のポロネーズ風ロンドAllegro polaccaの3部分から成る単一楽章の構成です。

ロッシーニ(1792-1868)のコンチェルト(1845頃)は、ファゴット奏者Nazzareno Gatti(1822-93)が、ボローニャのリセオ音楽院在学中の試験のために名誉顧問ロッシーニに作曲してもらった、と主張して晩年に出版したもので、近年再発見・再出版されました。残された草稿も写譜のため、真偽の判定は難しいようですが、ロッシーニは当時既に音楽界からの引退を表明しており、もし真作なら最後のオーケストラ作品にあたります。曲はオペラの序曲風に始まるAllegro、悲痛なLargo、喜劇のフィナーレのようなRondoの全3楽章です。


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今週末の演奏メニュー

2018年5月27日(日) 11時開演(10時40分開場)
於:本郷・金魚坂 / コーヒーまたは中国茶つき 1,500円

cafconc第132回
ホルンとファゴットの競演〜イタリアの協奏曲集

ベッリーニ「ホルン協奏曲」
ロッシーニ「ファゴット協奏曲」
パガニーニ「ファゴットとホルンのための小協奏曲」

江草智子(ファゴット)
笠間芙美(ホルン)
川北祥子(ピアノ)

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