タールベルクlove2015-07-22

ケン・ラッセルの映画「マーラー」で、音楽家になりたいと言うマーラー青年が、タールベルクのような売れっ子には簡単になれるものじゃないよ、と諭されるシーンがあります。タールベルク・ファンとしては嬉しいやら、「後にタールベルクなんか超える」フラグ?と寂しいやら...

タールベルクは当時リストのライバルとされたピアニストですが、私はリストより断然タールベルク派です。魅力は「職人芸」もさることながら「選曲の妙」。特にオペラのメドレー的なものは絶品で、たとえば「セビリアの理髪師」のファンタジーでは「piano, pianissimo」による短い導入部の後に始まる物悲しいメロディがロジーナの歌のレッスンで歌われる「quando mi sei vicina」をなんと短調にしたものだったり、「椿姫」のファンタジーはいきなりアルフレードの慟哭の「no, non morrai non dirmelo」から始まったりして、オペラ好きのハートを鷲掴みにしてくれます。私はこの2曲でタールベルクloveに堕ちてしまいました。

そういえば昔、オペラに全く興味のなかった高校時代には、同級生が弾くリストの「リゴレット・パラフレーズ」を聴いて「1曲通して10分近くずっと変ニ長調だなんてヘンな曲だなあ」と思ったりしたものでした(Wさんごめんね、でも演奏は超かっこよかったです!)。オペラ好きになった今では、1曲通して7分近くずっと変ニ長調の「ルチアのアンダンテの変奏」を弾いていてとっても幸せです。(川北)


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今週末の演奏メニュー

2015年7月26日(日) 11時開演(10時40分開場)
於:本郷・金魚坂 / コーヒーまたは中国茶つき 1,500円

cafconc第116回
ドニゼッティアーナ・カフェ

ドニゼッティ「三重奏曲」fl,fg,pf
ドニゼッティ兄「アンダンテ」fl,fg
タールベルク「ルチアのアンダンテ・フィナーレによる変奏」pf
ドニゼッティ「ランメルモールのルチア」より「狂乱の場」sop,fl,pf
トリアーニ「ルチアの主題によるディヴェルティメント」fg,pf

柳沢亜紀(ソプラノ)
山本葵(フルート)
江草智子(ファゴット)
川北祥子(ピアノ)

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