Le voyage d'été2015-05-24

6月のカフコンス「旅への誘い vol.2 〜 ヴァカンス」のメインはミヨーの「夏の旅」。避暑地で過ごす夏の日々を綴った15曲の歌曲集です。

エクス・アン・プロヴァンス出身のミヨー(1892-1974年)は、毎年エクスに程近い山の別荘で夏を過ごしていました。自伝でも、子供時代の幸せな夏の思い出や、「仕事もそこで一番よくできた」事に触れています。

しかし1939年に第二次世界大戦が勃発すると、その幸福な場所は「無力感と恐ろしいほどの苦痛と、動員された友人達についての日常的な不安感に圧倒された、終わることのない待機」の場所となりました。ミヨー一家は春まで別荘に留まった後、エクスからアメリカへ亡命しました。

「夏の旅(1940年)」は、そんな激動の時代に別荘で作曲された歌曲集ですが、作品自体は「戦前の休暇の楽しさを思い出させる」ものだとミヨーは語っています。それもそのはず、詩の作者カミーユ・パリアール一家もエクスで暮らし、ミヨー一家とはお互いの家や別荘を行き来する親しい間柄。彼女の綴った夏の風景はミヨーの幸せな夏の記憶にも一致したのでしょう。もしかしたら、詩に出てくる釣りやキノコ狩りにミヨー本人も居合わせていたかもしれません。


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来月の演奏メニュー

2015年6月14日(日) 11時開演(10時40分開場)
於:本郷・金魚坂 / コーヒーまたは中国茶つき 1,500円

cafconc第115回
旅への誘い vol.2 〜 ヴァカンス

ミヨー「夏の旅」(全15曲)
シックリー「夏の小夜曲」より*
ほか

渡辺有里香(ソプラノ)
川北祥子(ピアノ)
*ゲスト:江草智子(ファゴット)

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