ジュナンとカヴァリーニ2014-11-21

いつのまにか開催日直前になってしまいましたが...今回は19世紀ロマン派の二重奏曲と、19世紀末の名作「牧神の午後への前奏曲」の三重奏編曲版を演奏します。

前半はジュナン(1832−1903)の「協奏的大二重奏曲op.51」と、カヴァリーニ(1807–74)の「大二重奏曲 ”ロシアの想い”(1865頃)」。彼らはヴァイオリンでいうパガニーニのような名手で(パガニーニがルックスでも売れていたのに対して、この2人の肖像画はちょっと「?」ですが)、演奏会用の「ショーピース」も残しています。パリで活躍した名フルーティストのジュナンは、「ヴェニスの謝肉祭」(パガニーニに倣った、民謡の変奏曲)を始めとする数十曲以上の変奏曲やオペラファンタジーで知られ、「協奏的大二重奏曲」も(おそらく自作の主題による)変奏を核に構成されています。

「クラリネットのパガニーニ」と呼ばれたミラノ生まれのカヴァリーニは、スカラ座を経てロシア皇帝アレクサンドル2世に招かれ、15年間マリインスキー劇場の奏者を務めました。ロシア滞在の終わりの時期に作曲された「大二重奏曲」は、ロシア民謡(と思われる旋律)を主題に用いています。なおマリインスキー劇場の委嘱によるオペラ「運命の力」のクラリネットソロは、ヴェルディが旧知のカヴァリーニのために書いたと言われます。(ちなみに昨年取り上げたトリアーニは、カヴァリーニの一世代前のスカラ座の奏者。2度取り上げているサンサーンスの「カプリス」は、アレクサンドル「3世」時代のロシアツアー用作品で、同行したフルート奏者はタファネル。こんな風に点を繋いでみるのもまた楽しいですね。)


--------------------------------------------------

明後日の演奏メニュー

2014年11月23日(日) 11時開演(10時40分開場)
於:本郷・金魚坂 / コーヒーまたは中国茶つき 1,500円

cafconc第112回
フルートとクラリネットの競演

ジュナン「協奏的大二重奏曲」
カヴァリーニ「大二重奏曲」
ドビュッシー「牧神の午後への前奏曲」

浅野久江(フルート)
大橋裕子(クラリネット)
川北祥子(ピアノ)

--------------------------------------------------