サンサーンス「デンマークとロシアの歌によるカプリス」2013-03-11

サンサーンス(1835-1921)の「デンマークとロシアの歌によるカプリス」は、1887年のロシア演奏旅行のために書かれ、当時の皇帝アレクサンドル三世の妃でデンマーク出身のMarie Feodorovnaに献呈されました。華やかな序奏からロシアの歌(変奏曲)、デンマークの歌を経て、再び華やかなフィナーレ、という構成の、祝祭気分に満ちた四重奏曲です。

この演奏旅行に同行したのは、フルート奏者で「管楽器のための室内楽協会」の設立者でもあるポール・タファネル、オーボエ奏者Georges Gillet、クラリネット奏者Charles Turban、という名手たち。管楽器のアンサンブルはロシアの聴衆には新鮮に映ったようで(といっても他の曲目はフルートがドップラー、オーボエがヘンデル、クラリネットがウェーバーといった普通のプログラムだったようですが、だからこそ出発直前に急遽「カプリス」が用意されたのかも)ツアーは大成功、特にこの「カプリス」は人気を博したとのこと。オールスターメンバー全員の共演や、それぞれの聴かせ所たっぷりの豪華さ、そしてやはり「デンマークとロシア」もツボだったのでしょうか。

それほどの成功を収めたなら、この編成でもう1曲くらい書いておいてくれればいいのに...と、ついつい思ってしまいます(笑)


--------------------------------------------------

今月の演奏メニュー

2013年3月20日(水・祝) 11時開演(10時40分開場)
於:本郷・金魚坂 / コーヒーまたは中国茶つき 1,500円

cafconc第100
フルート・オーボエ・クラリネット・ピアノによる四重奏

サンサーンス「デンマークとロシアの歌によるカプリス」
テレマン「四重奏曲 ト長調 (食卓の音楽 第1集)」より 1,4楽章
ダマーズ「四重奏曲」

梶川真歩(フルート)
若木麻有(オーボエ)
荒木こずえ(クラリネット)
川北祥子(ピアノ)

--------------------------------------------------