冬のトリオダンシュ2012-12-14

オーボエ、クラリネット、ファゴットによる三重奏「トリオダンシュ(Trio d'anches ※anche=管楽器のリード)」は1930年頃のパリで誕生した編成。今月のカフコンス「冬のトリオダンシュ」は、当時のフランスで書かれたトリオダンシュ作品を中心に、ピアソラの「ブエノスアイレスの四季」を交えて演奏していくシリーズの第2弾です(第1弾は昨年3月の「春のトリオダンシュ」)。

南半球のアルゼンチンが今は夏なのはさておき、日本のちょうど裏側に位置するブエノスアイレスの四季は日本の四季にも通じると聞きます。ピアソラの「ブエノスアイレスの冬」の寂しさも日本人のツボではないでしょうか。今回使用するトリオダンシュ版編曲は、春の訪れを感じさせる長調の部分も素朴で静かなのがまた日本人のツボです。オリジナルはゴージャスで雪解け水の大きな流れのようですが、今回の版は解け始めた雪の雫が光るくらいの感じ?...と思っていたらブエノスアイレスで雪が観測されたのは史上2回、1918年と2007年だけだそうで、ピアソラ(1921-1992年)の存命中には降っていないんですね...

ちなみにブエノスアイレスの今日の最高気温は33℃とのこと。夏のクリスマス、しかも雪の降らないブエノスアイレスでも、ツリーには雪の飾りをつけるのかとか、雪を歌うようなクリスマスソングはどうするのかとか、暑いとクリスマスディナーもさっぱり冷たい系なのかとか、色々と気になってきました。 (K)


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今月の演奏メニュー

2012年12月23日(日) 11時開演(10時40分開場)
於:本郷・金魚坂 / コーヒーまたは中国茶つき 1,500円

cafconc第98回
冬のトリオダンシュ

オーリック「三重奏曲」(全3曲)
フランセ「ディヴェルティメント」(全4曲)
ピアソラ「ブエノスアイレスの冬」
トマジ「田園のコンセール」(全5曲)

若木麻有(オーボエ)
荒木こずえ(クラリネット)
廣幡敦子(ファゴット)

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